保有株がTOBの対象となったらどうする?

 では、保有している株がTOBの対象となり、株価が急上昇して公開買付けによる買付価格とほぼ同じ水準に達した場合、どうすればよいのでしょうか?

 選択肢は「市場で売却」「公開買付けに応募」「そのまま保有」の3つです。

 ただ、上記のN・フィールドのように、買収する側が完全子会社化を目指していて上場廃止をもくろんでいる場合は、そのまま保有を続けても上場廃止になってしまいますし、換金手続きが面倒な上最後は結局買い取られることになるので、あまり得策ではありません。

 したがって事実上、市場で売却するか公開買付けに応募するかの2択になります。

 筆者も、今までに保有株がTOBの対象となったことが何度もありますが、全て市場で売却しています。

 もちろん、公開買付けに応募してもよいのですが、例えば上記のN・フィールドの場合で考えれば、市場で売却しても買付価格とほぼ変わらない1,198円前後で売却できます。

 公開買付けに応募する場合、N・フィールドのケースでは決済開始が3月30日となっていて、現在(2月中旬)から1カ月半も先まで換金できません。

 また、実際に公開買付けに応募するとなったら、指定された証券会社の口座を開設する必要があるなど、意外と手続きが面倒です。

 筆者は、決済・換金に手間や時間がかかるのであれば、多少金額が安くなっても市場で売却してキャッシュにし、他の有望な銘柄に投資しなおす方が有利だと考えています。

 もちろん、考え方は人それぞれですから、公開買付けに応募して、しっかりと買付価格と同額を確保するという考えもありです。