TOPIXは弱含み。日銀ETF買い入れの条件を満たすも実施せず

 ただし、気がかりなのはTOPIX(東証株価指数)の方で、こちらの状況はあまり芳しくありません。

■(図3)TOPIX(日足)とMACD(2021年2月19日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 週足ベースで3週連続の上昇となった日経平均とは異なり、先週のTOPIXは下落に転じています。

 とりわけ、18日(木)と19日(金)の2日間の下落が目立っており、再び上昇基調に戻すには、直近高値同士を結んだ「上値ライン」を超える必要があります。

 また、下段のMACDはまだシグナルとのクロスにはなっていませんが、線の傾きは下を向いており、必ずしも状況は良いとは言えません。こちらも、先ほどの日経平均と同じく、昨年12月の時のようにもみ合いに入るという想定もできますが、先週末にかけての株価失速が日経平均よりも大きいため、時間調整ではなく、このまま25日移動平均線へと向かう「値幅調整」の可能性も出てきています。

 ちなみに、先週のTOPIXの弱含みの動きについて、日銀のETF(上場投資信託)買い入れが一部で話題になっています。というのも、2月は先週末時点で日銀のETF買いが一度も行われていないからです。

 もちろん、最近までの株高基調を踏まえれば、ETF買いがなくても別におかしくはないのですが、先週末の株価下落の場面において、日銀がETF買いを行うとされていた、「TOPIX前場の下落率が0.5%を下回る」という条件を満たしたにもかかわらず、買い入れを行いませんでした。

 折しも、日銀はこれまでの金融緩和政策の点検・検証を行っていて、3月19日の金融政策決定会合で何らかの発表があるとされています。その中にはETF購入方針の見直しも含まれているのではと思われていたタイミングだったことも重なって、色々な憶測を招いたようです。

 そのため、今週は日銀のETF買いの有無も注目されることになります。買い入れが行われれば、あっさりとこの話題は萎んでいくと思われますが、買い入れが行われなかった場合は、その時の値動きの状況にもよりますが、さらにさまざまな思惑が絡んでいくかもしれません。