日本株は企業価値の上昇を織り込んで上昇

 日本株は、1980年代後半にバブル相場を、1990年以降バブル崩壊を経験しました。バブル崩壊後の構造改革を経て、財務・収益基盤を強固にし、アベノミクスがスタートした2013年から新たな上昇トレンドに入りつつあります。

日経平均(年次推移):1973~2021年(2月12日)

出所:トレンドラインは筆者推定

 上記は、1973年から2021年までの日経平均の動きと、そのトレンドラインを示しています。トレンドラインは、企業価値から説明できる日経平均のフェアバリューの推定値です。現在、2万7,850円まで上昇しています。来年には、3万円を超えていくと予想しています。

 今年日経平均が3万円まで上昇するのは、少し早すぎるとは思いますが、コロナが収束に向かう来年度(2022年3月期)の企業業績を考慮すれば、妥当な水準と考えています。

 世界各国の株価指数のPERは、おおむね10~20倍で推移してきました。日本株がバブル相場だった1989年末に、東証一部の平均PERは60倍あまりまで上がっていました。利益から説明できない水準まで株価が上昇した「バブル」だったことがわかります。

 それと比較すると、現在の東証一部の来期予想PERは、17.3倍です。配当利回り約2%、PBRは1.4倍です。歴史的にみても、国際比較でも、妥当なバリュエーションです。

 したがって、日本株は企業価値通りに評価されていると見ており、バブルではないと判断します。

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