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「CASE」(コネクテッド、『自動運転』、シェアリング、電動化)は自動車業界に100年に1度の大変革をもたらすといわれています。この内『自動運転』では国内外で熾烈(しれつ)な技術開発競争が繰り広げられています。また技術開発に加えて、これまでの法規制は、運転者の関与を前提としており、『自動運転』には法整備が必須となります。国際条約に加え、各国でも法整備を進めており、その動向が注目されます。
【ポイント1】『自動運転』の国際基準を策定
ウィーン条約、ジュネーブ条約は自動車の走行は運転者の関与を前提としています。WP1(道路交通安全グローバルフォーラム)などによる見直しが進められ、システムが運転主体となる『自動運転』を認めることが可能となりました。各国は車両運行法の改正が可能となり、日本は2020年に道路交通法を改正、欧州各国も順次改正手続きを進めています。
2020年、WP29(自動車基準調和世界フォーラム)が『自動運転』レベル3に関する初の国際基準を策定し、各国が自国の車両法に反映する方向となりました。
【ポイント2】各国で『自動運転』に対する法整備が進む
国内では運転の主体がシステムとなるレベル3の『自動運転』車が公道を走行するときのルールを決めた改正道路交通法と、『自動運転』車の整備内容を定めた改正道路運送車両法が、2020年4月に施行されました。『自動運転』のレベル3が国内で解禁され、法規定に従えば公道でも走れるようになりました。
海外ではドイツは2021年前半に法整備完了の方向、欧州各国も順次対応を進めています。米国は州法などによる規制・許可に基づいて『自動運転』の公道実証などが進められており、カリフォルニア州やアリゾナ州、フロリダ州など、『自動運転』に積極的な州で実用化につながっていくケースが多いようです。
【今後の展開】法整備とともに、『自動運転』の開発競争は加速
昨年11月、ホンダが世界初となるレベル3の『自動運転』機能を搭載した高級車「レジェンド」の発売を発表しました。今年1月には米ゼネラル・モーターズ(GM)が2021年中に日本で『自動運転』の実証実験を実施すると発表しました。世界の主要メーカーでは、独メルセデス・ベンツが「Sクラス」にレベル3の『自動運転』機能を搭載し、2021~2022年に投入する見通しです。各国でさらに法整備が進み、『自動運転』の開発は一段と加速するとみられます。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。