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 2019年末に中国武漢市で発生した新型コロナウイルスは変異を繰り返しながら感染が拡大しており、先月下旬、世界の累計感染者数が1億人を超えました。一方、各国・地域では昨年12月以降、開発が急ピッチで進められてきたワクチンが承認され、『ワクチン接種』が本格化してきています。これまで各国・地域は行動制限による感染抑制を進めてきましたが、生活の平常化に向け『ワクチン接種』による集団免疫が期待されます。

【ポイント1】平常化へのカギとなる『ワクチン接種』がいよいよ本格化

 およそ1年前に発生した新型コロナは急速に感染が拡大し、全世界に深刻な影響を与えてきました。足元、累計の感染者数は1億人を超えてきており、世界人口の約1.3%に上っています。

 一方、世界の大手薬品企業は新型コロナのワクチン開発を急ピッチで進め、通常は10年ほどかかるところを1年足らずで実用化にこぎ着けました。各国・地域はワクチンの承認を経て、『ワクチン接種』を本格化させています。変異種による感染再拡大が深刻な英国は昨年12月8日から『ワクチン接種』を開始しており、米国が同14日、イスラエルが同19日、EU(欧州連合)が同27日から『ワクチン接種』を開始しました。

【ポイント2】国・地域によりワクチン普及に差

『ワクチン接種』が本格化する中、各国・地域の対応の違いによってその普及に差が生じています。「Our World in Data」の集計によると、先月30日時点の人口100人当たりの接種数は、イスラエルが54.7人と他国を大きく引き離しており、UAE(アラブ首長国連邦・31.5人)、英国(14.0人)などが続いています。米国は同8.9人の接種数ですが、総接種数は約3,000万件に上っています。

 先進国の中で日本の対応は遅れています。ワクチンの承認は2月中の予定で、2月下旬に医療従事者等への『ワクチン接種』が開始され、その後、高齢者、基礎疾患を有する人へと拡大していく見込みとなっています。

【今後の展開】ワクチン供給体制と接種体制の整備がポイント

 足元、EUでは大手薬品企業からのワクチン供給の遅れが問題となっています。『ワクチン接種』本格化による需要の急激な増加に増産が追い付かないためであり、製薬会社への供給体制整備の要求が強まります。

 日本では円滑な『ワクチン接種』を進めるため担当閣僚を置き体制整備を進めていますが、ワクチンの確保とともに、接種会場や人手の確保が重要となります。『ワクチン接種』による生活の正常化が待たれます。