「ディスラプション」と「摩擦的・構造的失業」

 雇用と経済には3種類あります。雇用が好調な分野(家電など)、弱いけれども回復が期待できる分野(外食など)、そして構造的に衰退していく分野(小売の一部など)。

 ある業種にとっては、ロックダウン(移動制限)は「お盆休み」と同じで、生産は一時的にストップするが、休みが終わった途端何事もなかったかのように元に戻ることができます。しかし、ある業種は、ロックダウンが終わるまで持ちこたえることができずに消えてしまいます。

 米国の労働市場は、2020年の5月から8月に見られたような急激な回復期は終了しました。しかし本格的な回復はまだ先。その中間地帯に位置するのが現在の雇用市場です。今はどうなっていて、これからどちらに進むのか。その重要なヒントをくれるのが今回の雇用統計です。

 企業の求める労働者の知識・技能と個々の労働者のもつ知識・技能とのミスマッチなどに起因する失業は「摩擦的・構造的失業」と呼ばれ、景気変動によって生じる「需要不足失業」と区別されます。ディスラプションによって、摩擦的・構造的失業は増加しています。雇用市場における政治の課題は、摩擦的失業をいかに解決していくかにあります。

 歯磨き粉工場をクビになったバケット氏は、その後、工場の機械を修理する仕事につくことができ、暮らしは良くなりました。めでたし、めでたし。