20年も新規受注が好調、海外で苦戦も全体で20%の伸び

現地コード 銘柄名
00390

中国中鉄股フン有限公司

(チャイナ・レールウェイ)

株価 情報種類

3.68HKD
(1/26現在)

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 BOCIは中国中鉄の投資家向け説明会を主催し、最新情報を更新。新型コロナの影響で20年1-3月に建設作業がストップしたにもかかわらず、20年通期の新規受注が前年比20.4%の伸びを示したことなどを明らかにした。中国中鉄の経営陣によれば、21年の建設需要には主に、高速道路や都市公共インフラ、都市鉄道などが主体となる見通しという。同社は「第14次5カ年計画」(21-25年)において、売り上げ成長、利益成長に加え、営業キャッシュフローに焦点を当てる方針。PPP(官民連携)プロジェクトに対する政策的な順風やインフラREIT(不動産投資信託)の本格展開を追い風に、自社やその他ゼネコン大手のシェアがこの先さらに拡大する見通しを示した。BOCIは利益見通しや目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 20年通期の新規受注は前年比20.4%増の2兆6,050億元で、10-12月期は前年同期比16.4%。10-12月期の受注額は例年、四半期別で最も高く、これは力強い伸びとなる。20年の新規受注を事業別に見ると、住宅建設と高速道路建設の伸びが特に高く、それぞれ前年比40.0%増、32.6%増。この2部門だけで新規受注全体の39.2%を占めた。鉄道建設は14.2%増で、全体に占める割合は13.6%。一方、パンデミックの影響で、海外受注は5.2%増と、過去7年で最も低い伸びにとどまった。経営陣は21年の新規受注について、高速道路、都市公共インフラ、都市鉄道が相対的に高い伸びを示すとみている。

 同社の「第14次5カ年計画」は今も策定段階にあるが、経営陣によれば、売上高および利益の伸びと、営業キャッシュフローポジションに照準を合わせる方針。営業効率の改善を通じ、増収率を上回る利益成長率の確保を目指すという。なお、国務院国有資産監督管理委員会(SASAC)は最近の通達で、国有企業の負債比率に関する基準を緩和し、「75%未満に引き下げる」から「75%前後を保つ」に変更した。これにより、負債削減圧力はさらに和らぐことになる。

 一方、同社は海外ビジネスの開拓戦略を維持しており、海外事業の売り上げ構成比を現在の4-5%から10%へ、段階的に引き上げる目標を掲げる。最近では同業他社(国有企業)から複数の経営幹部を迎え入れており、こうした幹部らの豊富な経験が、海外発展戦略に寄与する見通しという。

 現在株価の21年予想PER(株価収益率)はわずか2.8倍と、ヒストリカルな低水準にある。BOCIはファンダメンタルズ面の安定感に言及した上で、利益見通しと目標株価を現行水準に維持。株価の先行きに対する強気見通しを据え置いた。レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、建材価格の高騰が利幅に影響する可能性を挙げている。