20年本決算は1%増益、国内経済の回復で10-12月の不良債権指標が改善

現地コード 銘柄名
06818

中国光大銀行

(チャイナ・エバーブライト・バンク)

株価 情報種類

3.49HKD
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 中国光大銀行の20年12月本決算(速報値)は、純利益が前年比1.26%増の378億2,000万元と、BOCIの予想から3.4%上振れた。営業経費はほぼ予想通りで、営業利益に当たる業務純益は予想を0.8%上回った。その他指標を見ると、期中の平均ROE(株主資本利益率)は10.71%と、前年比で1.06ポイント後退。期末の不良債権比率は1.38%と、前四半期末(9月末)から0.15ポイント低下した。BOCIは21年予想PBR(株価純資産倍率)0.5倍をあてはめて目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 20年の通期純利益が自社予想を3.4%上回った理由として、BOCIは10-12月に引当金の計上ペースが鈍化した可能性を指摘している。中国経済が回復軌道に乗り、銀行の資産の質が正常化に向かったことが背景。10-12月期には前年同期比38.02%の増益を確保した。

 総資産、総負債は20年にそれぞれ前年比13.41%増、13.02%増と、いずれも2桁の伸び。10-12月には前四半期比で1.6%増、1.4%増だった。BOCIは通期の貸出伸び率について前年比約11%を予測し、これが引き続き、規模拡大の最大のけん引役になったとの見方。ほかに、規模拡大を支えた要因として金融投資を挙げている。

 不良債権比率は12月末時点で1.38%と、9月末比で0.15ポイント低下した。不良債権残高は7.9%縮小。不良債権引当カバー率は12月末に182.71%と、0.65ポイント上向いた。BOCIによると、資産の質の改善を受け、引当額の計上を抑える半面、不良債権の減損処理を加速させた可能性が高いという。

 BOCIは業務規模に関する想定値を引き上げるとともに、減損損失に関する想定値を引き下げ、21年、22年の予想EPS(1株当たり利益)を2.9%、5.4%増額修正した。現在株価の21年予想PBRは0.42倍。資産の健全性などを反映させる形で、目標算出基準を「20年予想PBR0.45倍」から「21年予想PBR0.50倍」に変更し、目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。今後のレーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、中国経済が急減速する可能性と、新型コロナウイルスの感染状況に関する不透明感を指摘している。