2021年はびっくりが連発?10大予想
今回のコラムでは、経済・金融の「世界10大予想」をご紹介します。
前回「米国が火種?全投資家が注目!マーケットを揺るがす10の政治リスク」は、政治リスクを専門とするユーラシア・グループによる「世界10大リスク」のお話をしましたが、経済・金融の専門家による「世界10大予想」はどのような予想になるのでしょうか。
年末年初になると、エコノミストや銀行・証券会社から経済や金融の予想が出てきますが、毎年、このコラムでご紹介しているのは、米ウォール街のご意見番、米投資会社ブラックストーン・グループのバイロン・ウィーン氏によるサプライズ10大予想です(最高投資ストラテジストのジョー・ザイドル氏との共同執筆)。
この予想は1986年以来、今年で36回目となる年始恒例の予想で、ウォール街で注目されています。同氏は「サプライズ」の定義を、「平均的な投資家が発生確率を3分の1程度とみているイベントを、自分は50%以上で起こると信じている出来事」と説明しています。
新型コロナウイルスの感染拡大前の予想だったため、昨年の同氏の予想はあまり意味がないかもしれませんが、それでも当たっているものがあります(参照記事:今年の「サプライズ10大予想」でウォール街の重鎮が危惧すること)。
「株式相場では5%超下落する調整が数回起こるが、S&P500は3,500超になる」(2020年末終値3,756.07)や「景気が押し下げられるも、トランプ政権の政策で景気後退は回避」は当たりましたが、原油価格70ドルや米10年債利回り2.5%は外れました。
予想の大部分は当たらないことが多いのですが、重要なのはウォール街のご意見番が今年の経済や金融をどのように考えているのかを把握しておくことです。自分の相場観と照らし合わせてみて、サプライズの予想かそうでないか、あるいはあり得るかもしれないと思うかもしれません。毎年強気の予想が多いのですが、今年はどのような予想を立てているのでしょうか。
それでは、今年の予想の要点を紹介します。