テスラが暴落しない限り、バブル相場は継続する

 現在、米国では1ドルのGDP(国内総生産)成長を生み出すために7ドルの政府支出が行われている。そして、世界のGDPの0.7%にあたる流動性が毎月追加されているのである。

世界のGDPの0.7%にあたる流動性が毎月追加されている

出所:ゼロヘッジ

 そうしたバブル状況の中、人々を驚かせているのがビットコインの上昇である。現金の価値が劣化し、まるでハイパーインフレが起きているかのような上昇である。

ビットコイン/円(日足)

出所:石原順

 元ブリッジウォーターのアナリストは、「ビットコインはほぼ確実に別のバブルにあり、現在の成長率は持続可能ではありません。2021年が2020年のように判明した場合、ビットコインの時価総額は流通しているすべての米国通貨よりも大きくなるだろう」(1月12日 ゼロヘッジ)と警鐘を鳴らしている。また、英国の金融監督当局は、最近の暗号資産(仮想通貨)ブームに乗じて利益を得ようとしている人々に対し、全てを失う覚悟をするよう強く警告した。

ビットコイン相場と過去のバブル相場

出所:ゼロヘッジ

 一方、株式相場で話題をさらっているのはテスラである。テスラ株の上昇を受けて、CEOのイーロン・マスクの資産が増し、ブルームバーグ・ビリオネア指数の番付で米アマゾン・ドット・コムのCEOのジェフ・ベゾスからトップの座を奪ったと報道されている。

 米株式市場の「バブルの指標銘柄」はテスラである。テスラが暴落しない限りは、バブル相場は継続するだろう。

テスラ(日足)

出所:石原順