「エブリシング・バブル」がもたらす不均衡によってボトム50%が抱える負債は拡大
「エブリシング・バブル」は崩壊しつつあるのだろうか。大規模な金融緩和によって無限に生み出される新たな「お金」と「信用」は、経済の金融化とグローバル化という二つの側面を持ち、これらがあらゆる資産を証券化、担保化、レバレッジ化することが可能になった。
この状況は、「信用」を原動力とするさまざまなバブルを促し、かつてないほどの個人資産の上昇をもたらした。
トップ層0.01%が保有する資産の額
バブルは全ての主体を浮上させるという説もあるが、これは誤りである。なぜなら、トップ層に対し、ボトム層50%が持つ保有資産のシェアは、依然として2.6%とノイズに過ぎないレベルであるからだ。
ボトム層50%が保有する金融資産の額
「エブリシング・バブル」の主な影響は、富の極端な不均衡にある。上の図が示すように、富裕層はさらに裕福になり、それ以外の人々は住宅ローン、自動車ローン、学生ローンなど、負債を拡大させる結果となった。
「成長」を推進するという名目のために世界中で多額の負債が積み上がっている。インフレは利回りを押し上げるが、これが高止まりすると負債を増やして「成長」を維持することが持続不可能になる。賃金労働者の収入の購買力を破壊し、世界経済を支える浪費的な消費のバブルと負債バブルを崩壊させることになるだろう。