西暦の末尾1の年のNYダウのサイクル

 先日の「楽天証券新春講演会」でも述べたが、1950年以降の西暦の末尾1の年のNYダウの年間の上下動を簡略化すると、下の図のようになっている。相場は1月から5月末まで上げて6月に反転し9月末まで下げるというのが大きな特徴だ。

1950年以降の西暦の末尾1の年のNYダウの年間の上下動のイメージ

出所:石原順

 上記の相場サイクルが今年の株式相場の大まかなイメージであるが、1月相場を細かく見てみよう。相場のアノマリー研究で著名なジェフリー・ハーシュの分析によると、1月相場は1月11日を境に軟化することが多い。

1月相場の過去21年の軌道 (ジェフリー・ハーシュ)

出所:Almanac Trader

 そして、次のグラフは、1933年以降の大統領選挙後の米国株式市場のサイクルパターンを示したものである。茶色で表しているのが、現職が勝利し2期目が決まったケースである。株式市場は選挙後に下落するものの、年が変わって1月に入ると上昇に転じ、その後、夏から秋に向けて緩やかに上昇する傾向が見て取れる。一方、政権交代が起こり1期目の大統領が誕生するケースは緑で示されている。その場合、選挙後はお祝いムードで上昇するものの、1月にいったんピークをつけ、その後はほぼ一貫して軟調な動きとなっている。実際、現在の相場はちょうど1月のピークをつけるところにある。

大統領選挙後の株式市場サイクルパターン(緑:1期目の場合 茶:2期目の場合)

出所:McClellan Financial Publications

 筆者はこのようなアノマリー(経験的に観測できるマーケットの規則性)だけで相場のポジションをとることはない。しかし、こうしたアノマリーとテクニカル分析が一致すると、相場は大きく動くことが多い。