10万円から始める高利回り株投資

 日本株は、配当利回りから見て割安で、長期投資対象として魅力的と考えています。ただし、銘柄選択は大切です。人気株に飛び乗って高値づかみとなり、株価が急落すると大きな損失をこうむることもあります。

 これから日本株への投資を考える初心者は、日経平均に連動するインデックスファンドや、10万円以下で買える株への小口投資から始めたらいいと思います。一度に大きな金額を買うのではなく、毎月一定額を買い付けるなど、堅実に投資を増やしていく買い方が良いと思います。
そこで、今日は、10万円以下で買える高配当利回り株をご紹介します。

スーパースクリーナーを使って銘柄選択

  楽天証券ウェブサイトでは、さまざまな条件を指定して、その条件に合った銘柄をスクリーニング(抽出)する「スーパースクリーナー」というツールを提供しています。スーパースクリーナーの使い方は、以下をご参照ください。

スーパースクリーナーを使った銘柄分析方法を動画で解説
※スーパースクリーナーは楽天証券ウェブサイトにログイン後に利用できます

 今日は、スーパースクリーナーを使って選ぶ、10万円以下で投資できる高配当利回り株を、ご紹介します。以下の手順で絞り込みます。

【1】10万円以下で買える1,499銘柄を抽出

 まず、東証一部・二部・東証マザーズ・ジャスダック・名証に上場する銘柄について、「投資金額10万円以下」の条件を指定すると、1,499銘柄が出てきます。この1,499銘柄が、2021年1月6日時点で、最小投資単位が10万円以下の銘柄です。

【2】予想配当利回り3.8%以上の57銘柄を抽出、証券業を除き52銘柄に絞り込み

 10万円以下で買える銘柄から、配当利回りが高いものを抽出します。「配当利回り(予想)が3.8%以上」という条件を加えると、銘柄数は、一気に57まで減ります。これが、10万円以下で買える高配当利回り株の候補となります。

 私は、コンプライアンス上の理由で、証券業に属する銘柄の投資判断を述べることができませんので、証券業に入る5社を除外します。すると、52銘柄が残ります。

【3】さらに時価総額が2,000億円以上、今期の配当金予想を公表している16銘柄に絞り込む

 高配当利回り銘柄を選別する際、注意すべきことがあります。配当利回り(予想)は高ければ高いほど、良いというわけではないことです。なぜならば、株の配当利回りは、確定利回りではないからです。業績が悪化して、減配(1株当たり配当金を減らすこと)になり、株価が下がることもあります。

 したがって、上記リストから高配当利回りの投資銘柄を選ぶ時は、見かけ上の配当利回りの高さではなく、減配リスクが低いと判断される銘柄を選ぶべきです。
減配リスクの低い銘柄にさらに絞りこむ方法は、いろいろあります。減配リスクが低い銘柄には、一般的に以下の特色があります。

  • 時価総額が大きい
  • 経常利益率が高い
  • 自己資本比率が高い(借金が少ない)
  • 景気の影響を受けにくい業種(ディフェンシブ株)
  • 経営者が株主への利益配分に積極的

 すべてを満たす銘柄はありません。上記の1つか2つを満たせば十分と考えます。今日は、一番単純でわかりやすい「時価総額が大きい」(時価総額2,000億円以上)という条件で絞り込みます。

 その方法で絞り込むと、16銘柄が抽出されます。

10万円以下で買える、時価総額2,000億円以上、配当利回り3.8%以上の16銘柄

コード 銘柄名 配当
利回り
株価
1月6日
1株
当たり
配当金
6178 日本郵政 6.2% 807.0 50.0
7182 ゆうちょ銀行 5.8% 863.0 50.0
8308 りそなHD 5.8% 362.8 21.0
5020 ENEOS HD 5.7% 384.2 22.0
7167 めぶきFG 5.4% 203.0 11.0
8306 三菱UFJ FG 5.4% 463.9 25.0
8593 三菱UFJリース 5.2% 495.0 25.5
9503 関西電力 5.0% 994.9 50.0
8410 セブン銀行 5.0% 220.0 11.0
7186 コンコルディアFG 4.7% 358.0 17.0
9506 東北電力 4.6% 871.0 40.0
4202 ダイセル 4.4% 734.0 32.0
2768 双日 4.3% 234.0 10.0
1605 国際石油開発帝石 4.1% 585.0 24.0
4188 三菱ケミカルHD 3.9% 622.7 24.0
9508 九州電力 3.8% 918.0 35.0
出所:銘柄は楽天証券スーパースクリーナーで抽出、配当利回りは1株当たり年間配当金(会社予想)を1月6日株価で割って算出。配当金と株価の単位は円