3.いつが買い時か

 最後にいつが買い時か、考えてみましょう。

 まず短期的な投資では、予想を当て続けることはほとんど不可能なので、買い時を考えるのは難しいですが、リーマンショックのときのように極端に激しい下落が発生したときは、株価は売られ過ぎることが多いため、買い時と言えます。ただし、そのような激しい下落は、せいぜい10年に1度といった頻度でしか起きませんので、買い時として待つのは賢い選択とは言えません。

 次に長期的な投資を考えてみましょう。長期的な投資は、前述のとおり、長期的に成長拡大する経済の波に乗った投資ですので、長い目で見れば、いつ投資してもよいという答えになります。

 ただリターンをできる限り、大きくしたいのであれば、株式相場が低迷しているときが投資の好機です。景気のサイクルで言えば、景気が悪いときほど、株価は低迷していることが多いので、チャンスと言えるでしょう。

 しかし、景気の悪いときは、会社の業績は悪化し個人のボーナスも減り、投資をしようという気分にはなかなかなれないものです。また株式相場は長期的に上昇するとしても、上昇するまでにかなりの時間がかかるケースもあります。上昇を待ちきれず、投資している株式の価格が大きく下がり、評価損が大きくなれば、精神的に耐え切れず、売却してしまうことも珍しくありません。

 そういった事態を避けるには、投資するタイミングを分散して、毎回同じ金額で積立投資をすることが解決策になります。

 投資をするとき、株式を購入することになりますが、「購入する株数=投資額(定額)÷株価」であるため、株価が高いときは、株数を少なく購入し、株価が低いときは、多く購入することになります。

 これは、なるべく株価が低いときにたくさん株数を買おうとする行為なので、結果的に株式の平均購入単価が低くなります。平均購入単価が低ければ、当たり前ですが、利益が出る確率が高まります。

 「いつが買い時か」というのはよくある質問ですが、「いつでも買い時、ただし長期で毎月決まった金額を定期的に投資すること」というのが筆者の回答です。

4.長期投資ってなんだ?

 最後にまとめとして、長期投資とは何かを書きます。
長期投資とは、長期的に経済成長の波に乗り、勝つべくして勝つ、儲けるべくして儲ける投資手法のことです。

 逆に短期投資とは、儲けるかどうかよりも、儲かるかもしれないワクワク感やスリルを楽しむ投資手法です。投資というより投機といったほうが近いと思います。
お金を増やしたいのなら、長期投資を、スリルを楽しみたいのなら、短期投資(投機)をお勧めします。