2.短いスパンで相場を当てるのはムズかしい
次に、株式相場が動くなかで、投資することを考えてみましょう。
何度も書きますが、買いの数量が多いか、売りの数量が多いかで、株式相場は動きます。
では、どれだけの人が買い、または売りと判断するのか、またどれだけの株数の注文を出すのか、予測することはできるでしょうか。これは、簡単なことではありません。
そもそも自分自身がどう思うかではなく、人々がどう動くかを予想するだけでも難しいうえに、たった一人の大金持ちが巨大な注文を出せば、世の中の大半の人々が買いだと思っていても、売り優勢に変わり、株式相場は下落してしまうからです。
その上、このような予想を連続してかなりの勝率で当て続けることは、ほとんど神業といってもいい話です。こういったことを踏まえると、株式市場で出てくる様々な材料(ニュース等)を受けて、その度に短期的な売買をして儲け続けることはほとんど不可能だと思いませんか。
では、買いの数量が多いか、売りの数量が多いか、予測することは絶対に不可能でしょうか。
いえ、実は不可能ではありません。言っていることが反対だと言われると思いますが、時間軸を変えれば、可能です。短期的なひとつひとつの材料を受け、買いが勝るか、売りが勝るかの予想を的中させることは困難ですが、長期的な視点であれば、予想を当てることは不可能ではないのです。
株価は企業の利益を反映して動くものです。企業の利益が予想を下回れば、株価は下がります。株式市場全体は、個別企業の株価の集合体ですので、株式相場は、経済全体を反映して動くと言えます。
概ねの話ですが、景気が良ければ、経済の成長率が高くなり、株式相場は上昇し、景気が悪ければ、経済成長率が低くなり、株式相場は下落します。経済全体は、成長率が時にはマイナスになる局面もありますが、長期的に見れば、成長をしています。そのため、株式相場は、経済の成長拡大に連動するように、長期的は上昇し続けてきたのです。
ですから、株式へ投資し、利益を得たいのであれば、長期的に経済成長の波に乗り、株式相場の上昇をじっくり待つのが得策です。たとえば、長期的に世界経済が成長拡大することについて異論を持つ人はまずおらず、基本的に長期であれば、株式相場は上昇するものということが、ほとんどすべての人々に共有されているからです。