若年層のほとんどがネットで資産運用する中国
同調査報告によると、回答者の約7割が月給の10%以上、2割が月給の50%以上を資産運用に使いたいと考えており、ほとんどが専門的な金融機関から証券市場に参入、うち、9割は投資信託に委託し、2割が自ら株式に投資しているとのことです。そして近年の傾向が「理財の若返り化とネット化」で、若年層のほとんどはインターネット上で資産運用を行っているという現状が明らかになりました。
12億人以上が使用するアリペイには、短期消費、保険保障、投資増値という3項目を資産配分の対象とする、「理財健康度」を観測する「理財点数」というサービスが付いていて、すでに7億人以上がこのサービスを使用しています。満点は950点で、6割以上のユーザーが500点以上、4割近くが3項目にまたがる資産運用を行っていて、うち1990年代生まれのユーザーが半分を占めるとのことです。
獲得スコアを地域別で見ると、トップ10は上海市、北京市、江蘇省、天津市、浙江省、湖北省、四川省、広東省、山東省、重慶市の順。性別で見ると、女性の平均スコアは男性のそれより25点高く、資産運用能力では女性が男性を上回るという結果となっています。
最後に、回答者の9割以上が「安定的に収益を上げられず、損失を出す状況を受け入れられる」、約2割が「資産運用期間中、10%以上の損失を受け入れられる」という見解を示しています。要するに、「投資にリスクはつきものである」「リスクがあって、初めてリターンが見込める」という資産運用の常識を心得ている、それが中国人の理財観だと言えます。
いかがでしょうか。以前のレポートのタイトルに「実は、超投資先進国!?」という若干センセーショナルな文言を入れましたが、仮にそういう現状が存在するとしたら、それを支えているのはまさに人々の投資に対する意識、覚悟、リテラシーの高さにあると言えるでしょう。
では、次ページから私の友人3人の「理財」をケーススタディーとして見ていきます。