1:米国経済は+4%の高成長

 米国経済は2021年も経済復調が続き、世界経済の成長をけん引。2020年半ばから新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われたが、経済活動の復調が続いた。金融・財政政策の押し上げ効果で主要先進国の中で最も早く回復したが、2021年も政策効果が経済成長を後押しする見通し。さらにワクチンが普及するとみられ、新型コロナウイルスの感染拡大によって売上が激減した接触型サービス業の回復が経済成長の新たなドライバーになる。このため、2021年の米国経済は+4%前後の高成長を予想する。

2:米国政治の最大のリスクは年明け早々に訪れる

 バイデン米政権となっても共和党が上院で多数となれば、バイデン政権が議会からの制約を受け、所得再分配などの増税政策は実現が難しくなる可能性がある。米国政治が経済に悪影響を及ぼすリスクが大きく低下したことが、米大統領選挙の日から株式市場は上昇した最大の要因。2021年1月5日に行われるジョージア州の上院の決定選挙は、共和党候補が優勢とみられている。

 ただ、トランプ米大統領が選挙結果に異議を唱えたことなどで、共和党候補の優勢との状況が変わり、民主党候補が2議席を得るサプライズが起きるリスクがある。このリスクを市場がやや軽視しているとみられ、米国政治の最大のリスクが年初早々に訪れる。

3:米株市場、年央までは株高

 新型コロナウイルス感染拡大に対応する強力な財政金融政策への期待を背景に、2020年3月から株高が続き12月初旬にかけて主要株価指数は史上最高値を更新した。バイデン政権においても経済成長を後押しする政策対応が続き、経済の高成長がもたらすEPSの大幅な伸びによって、年前半までの株高を後押しする見込み。2020年はGAFAM(Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoft)など大型ハイテク銘柄の株高が、株式市場全体をけん引した。2021年は経済正常化が進むため、2020年までのようにハイテク株の成長期待で株価が押し上げられる状況が変わり、ハイテク株の変動が株式市場全体を揺るがす場面が訪れるとみる。