8:バリュー株は折に触れて見直されるものの、年を通じてグロース株のパフォーマンスが上回る
経済の正常化を受けて、旅行、エネルギー、景気敏感、不動産、金融などのバリュー株が折に触れて見直される場面はあるものの、上昇は「回復」の域を出ない。2021年春には、一部バリュー株とされる企業が存続の危機に直面する場面も。低金利下でのグロースの価値は非常に大きいため、年を通じたパフォーマンスはグロース株がバリュー株を上回る。
9:2021年6月末のストレステスト後に銀行株が上昇
銀行の貸倒償却額のピークは2021年4-6月期(決算発表は7月)に訪れるが、銀行は既にそれを大幅に上回る貸倒引当金を積んでおり、FRBは各銀行から提出されたほとんどの資本計画をそのまま承認する。2020年に増配・自社株買いが停止されていた分、2021年のストレステスト後に発表される株主還元策は大きく、銀行株は素直に反応、上昇する。
10:米10年物国債利回りの上昇は1.3%台までが精一杯、1%絡みの取引が続く
経済の正常化と共に米10年物国債の利回りは堅調推移となるものの、上昇した場面では積極的な買いが入る。とりわけ、マイナス利回りで取引されている債券総額が史上最高の17兆ドルに上る中、米国債の1%超えは相対的に魅力的に映り、年を通じて1%絡みの取引に終始する。この結果実質金利はマイナスの状況が続く。