「分散」しなかったことが好結果を生んだ
──ほかに成功の要因はありますか。
今振り返ると、へたに分散投資しなかったことも勝因かもしれません。投資のマニュアル本などを見ると、よく「集中投資は危険。分散投資しなさい」と書かれていますよね。僕も、リーマン・ショック前はいろいろな銘柄に分散投資していたんです。最初、11銘柄購入したと話しましたが、多いときには20銘柄以上を持っていました。でも、リーマン・ショック以降は、多くても数銘柄にとどめることにしたんです。
──それが結果的にはよかったんですね?
もし20銘柄に分散投資していたら、テンセント1社に170万円もつぎ込めませんからね。せいぜい数十万円でしょう。とすると株価が10倍になったとしても、数百万円の利益しか見込めないわけです。
──ある程度、銘柄を絞り込んだほうがいいということですね。
結果論で言えばそうなんですが、そこは難しいところですよね…。絞り込めば絞り込むほど、当たったときのリターンは大きくなりますが、その分リスクが高まるわけですから。だから、一概に絞り込んだほうがいいとも言いにくい。
──投資初心者は、いろんな銘柄に分散したほうが確実でしょうしね。
そう。だから、分散投資がいいか、集中投資がいいかはケースバイケースとしか言いようがないんです。
──よしぞうさんの場合は、分散投資から集中投資に、投資スタイルが変わってきたんですね。
はい、リーマン・ショック後は4~5銘柄、今は2~3銘柄に絞っています。
──リスクは承知の上での集中投資なんですか?
僕の場合、家のお金と投資資金を別にしているんです。家のお金は家のお金としてプールしていますし、子供の教育費の積み立ても行っています。つまり、万が一、投資資金がゼロになったとしても、生活に困ることはないようにしているんです。だから、多少の冒険は許されるというか…。
──冒険が許されるんだったら、冒険したほうがいいと?
はい。それで、今後働かなくてもいいくらいの資産を築くことができたら、会社を辞めて自由な生活を送れるかもしれませんよね。だったら、トライしてみようと。
──次回は2016年から始めた米国株のことなどをお聞きします。
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