8:経済活性化へ向けて中国当局が金融緩和実施 

「コロナ後の世界経済が順調に回復しない場合、中国当局は2021年も追加の金融緩和を実施して経済を下支えする可能性があります。他国と比較すると政策金利はいまだ4.35%と高いため、まだまだ利下げする余力が残っています。中国当局が金融緩和を打ってくるようなら、不動産市場や株式市場に資金が流れ込み、資産価格の上昇へつながるはずです。ただし、過度の金融緩和は資産バブルを誘発し、必要以上に株価を押し上げる危険性もあります」(よしぞうさん) 

 9:習近平国家主席の2022年3選のための下準備

「中国では2022年に5年に1度開催される中国共産党全国代表大会が控えており、習近平国家主席の任期継続が決定される予定です。もともと2期10年(1期5年間)までしか国家主席になれなかった規定を改定して3期目の続投を狙う習近平主席にとって、2021年は共産党創設100周年と2期10年の最終年度が重なった極めて重要な年。内外に『強い中国』をアピールするため、例年以上に中国政府による中国株式市場の強い下支えが期待できるでしょう」(よしぞうさん)

10:11月11日「独身の日」で消費銘柄上昇 

「2020年11月11日で12回目を迎えた中国のネット通販セール『独身の日』。2020年は中国ネット通販最大手のアリババの取扱高がこのイベントだけで8兆円近くに達するなど、日本最大手の楽天の年間取扱高が3.5兆円であることを考えると、中国Eコマースのポテンシャルには引き続き注目です。主役のネット通販大手のアリババや京東(JD)はもちろんのこと、売上増加が期待できる出店企業の株価にも好影響があるはず。中国企業ではシャオミ、ハイアール、日本企業ではヤーマン、海外企業ではエスティローダー・カンパニーズなどに注目しています」(よしぞうさん)

中国市場、2021年もイケイケは続く!?

 波乱続きの2020年も資産28%増の好成績を叩き出すことに成功したよしぞうさん。「株式市場の雰囲気が強気な時は前のめりにならないように心掛け、株式市場の雰囲気が弱気な時は果敢に前に出るようにしていきました」と振り返るように、2~3月のコロナショックで株式市場が総悲観になった時、何回かに分けて仕込んだ銘柄が資産増に大きく貢献した。

 その極意は「最安値を狙うことはできなくても、安値圏内で徐々に拾っていくこと」。中国株は最近もアリババグループ傘下の金融子会社アントグループのIPOが中止になるなど、トップダウンで大逆転が起こりやすい不安定な展開が続く。そんなときも「機械的に資金を入れていくことで、できる限り、感情を排除してきました」と振り返るように、喜び過ぎず、へこみ過ぎない感情のコントロールと冷静な相場分析がよしぞうさんの持ち味だ。

 コロナ後の経済立て直しのために、世界的な金融緩和の継続と財政出動が続く2021年。よしぞうさんは「株式市場に対しては当面強気の方針でよいと考えています」という見解だ。米中のハイテク分野における覇権争いも、逆に中国IT企業が存在感を発揮するチャンスになると予想する。「AIやハイテク分野における情報管理社会の到来は、中国のような強権国家のほうが親和性が高く、中国が他の国に先駆けてスマートシティや自動運転プラットホーム、デジタル通貨の発行を実現することになれば、それがスタンダードとなり、該当技術を担当している中国企業が世界的なプラットホーマーになる可能性もあります」(よしぞうさん)。

 むろん、それを脅威と感じる米国が中国に対してより一層圧力を掛けていくのは必至。「米国がこのまま覇権を握り続けるのか、それとも中国が抜き去るのかが不確実なため、中国と米国の両方のハイテク企業、プラットホーム企業に投資することでリスクの分散を図っていくことが必要だと考えています」とよしぞうさん。世界覇権の行方に対してもしっかりリスクヘッジしていく独自のスタイルは、まさに冷静沈着そのものだ。

よしぞうさんProfile

 中国株ランキングで常に上位! 人気ブログ『よしぞうの投資ライフ(億超えの次へ)』を運営する、AFPの資格を持つベテラン投資家。2004年10月、100万円を元手に中国株投資を開始し、2018年、ついに投資資産1億円を突破。保有銘柄は、テンセント、アマゾンなど。投資手法は長期投資・集中投資。Twitterアカウント よしぞう@yosizoudesu

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人気投資ブロガーインタビュー よしぞうさん 前編
1億円稼いだサラリーマン投資家が語る「中国株」の魅力とは?