4:アントグループ上場再開によるアリババの信用回復
「2020年11月、上場2日前に世界最大の決済サービス『アリペイ 支付宝』を運営するアントグループが上場延期したことで、中国株市場のコーポレートガバナンスへの不安感が高まり、特に親会社であるアリババグループへの信用問題・業績懸念に発展しました。しかし、2021年中にはアントグループの上場手続きが再開するはず。アリババ株、ひいては香港証券取引所全体の株価見直しにつながっていくと考えています」(よしぞうさん)
5:米中デカップリングによる一時的な下落
「トランプ政権下で激化した米中のハイテク分野における覇権争いですが、たとえ大統領が変わっても特定の中国企業への圧力が強まっていく恐れがあり、ファーウェイ以外の大手ハイテク企業や国民監視・人権問題と絡むような企業(監視カメラ企業等)への制裁がさらに広がれば、中国IT株の一時的な下落があるかもしれません。ただ、狙い撃ちされた特定企業はともかく、中国の大手IT企業は売上の大半を中国本土から上げているので、株価に振り回されずにじっくりと投資に当たることが大切だと思います」(よしぞうさん)
6:コロナからの回復による経済復興
「中国のコロナ対応に関しては、他国に比べると国家が強権を発動しやすく、早期に感染者隔離や部分的なロックダウンなどを行ったことで、他国よりも回復が早い状況が今後も続くでしょう。それにともなう消費行動の活性化により、落ち込んでいた経済活動が2021年にはかなり盛り返してくると思います。巣ごもり消費からの反動で、飲食・観光関連銘柄の株価回復に期待しています」(よしぞうさん)
7:米中貿易摩擦の軽減による経済効果アップ
「米国大統領に就任することが濃厚になったバイデン氏は、トランプ大統領のような強い対決姿勢ではなく、協調性を重視した対中政策を進めると予想しています。米中両国がコロナによってダメージを受けている国内産業を立ち直させるために、一部関税の緩和などに踏み込めば、経済的な効果はそれほど高くないかもしれないですが、心理的な効果が非常に高く、株式市場も一時的に上昇するでしょう。ただし、米中の対立は依然として残されたままの状態が続くと思われるので、過度の期待は禁物です」(よしぞうさん)