20年9月中間期利益はほぼ前年並み、年度下期に業績回復へ

現地コード 銘柄名
00384

中国燃気控股

(チャイナ・ガス・ホールディングス)

株価 情報種類

 27.10​HKD
(11/17現在)

 株価
 企業情報
 チャート

 中国の都市ガス大手、中国燃気控股の20年9月中間期の純利益について、BOCIは前年同期比1%減の48億4,000万HKドルを見込んでいる。ガス販売量が増加し、利幅も改善する半面、ガス管接続料収入の落ち込みが足を引っ張るとの見方。また、決算通貨が香港ドルであるため、人民元の対香港ドルレートが期中に平均約2%下落したことも、ある程度響くとみている。ただ、会計年度の下期(20年10月-21年3月)に関しては、業績改善を予想。同社株価の先行きについて強気見通しを継続した。

 コロナ後の需要回復と新規プロジェクトの貢献を理由に、BOCIは20年9月中間期のガス小売販売量について、前年同期比9%の伸びを見込む。さらに、販売量1立方メートル当たり利益は0.03元上向いたとの見方。同業銘柄の20年上期決算においても、同様の上昇傾向が見られたとしている。

 中国国内の地方当局はこの10-11月に、「煤改気」政策(暖房燃料の石炭から天然ガスへの切り替え)の実施状況を調査・確認し、その後、補助金支払いを実施する見込み。BOCIはこうした事情から、20年9月中間期には、キャッシュフローの調整を図る同社が「煤改気」用のガス管接続業務をペースダウンさせたと指摘。結果的に新規の接続業務が14%縮小したとみている。これがガス販売量の伸びや利幅改善というプラス要因をほぼ打ち消した可能性が高いという。

 このほか、LPG(液化石油ガス)部門の9月中間期の営業利益について、BOCIは前年同期比340%の大幅増を予想している。前年同期実績の極端な低迷が理由。また、付加価値サービス部門については同30%の営業増益を見込み、顧客基盤の拡大と製品・サービスの拡充をその理由としている。

 続く年度下期の利益は、上期比で上向く見込み。天然ガス需要のピーク期となる冬場を迎えることが一因。「煤改気」プロジェクトに対する地方政府の積極姿勢を受け、ガス管接続業務の加速が見込まれることが2つ目の理由という。また、最近の人民元高も、香港ドル建ての同社収益を押し上げる可能性が高い。

 一方、同社は10月半ば、「大湾区」(グレーターベイエリア)における都市ガス化プロジェクトをめぐって広東省当局と戦略提携。さらに11月上旬には、中国石油海洋集団との合弁会社を通じ、福建省4地区での都市ガス合弁プロジェクトに参加することで大枠合意。一段の事業拡大に向けた2つの動きを見せた。

 BOCIは21年度予想PER(株価収益率)16倍をあてはめて目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。今後の潜在リスク要因としては、LPGの小型パイプライン網の進捗に遅れが生じる可能性、地方の「煤改気」プロジェクトからの現金回収が遅れる可能性を挙げている。