グロース株が売られているわけではなく、広範囲に買われている

 もうひとつ重要なことを指摘します。それは「ここまで買われていたグロース株が売られているわけではない」ということです。

 これについても主要な銘柄の足元の動きを検証しておく必要があります。グロース株が買われる時はバリュー株が注目されず、逆にバリュー株が買われる時はグロース株が売られる、と単純には言えない動きが見られています。

キーエンス(6861)の3カ月日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)

東京エレクトロン(8035)の3カ月日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)

ファーストリテイリング(9983) の3カ月日足チャート

赤:出来高移動平均(5日)
青:出来高移動平均(25日)
緑:出来高移動平均(75日)

 足元は、「バリュー株に上昇するものが目立つものの、グロース株が売られているわけではない」と説明するのが適当と思われます。

 その状況の中で、日経平均は1991年6月3日以来、約29年5カ月ぶりに2万6,000円台乗せを見せたのです。買いが広がっている様子が見て取れます。

 東京市場はこれまでの「限定的に買われる」から「広範囲に買われる」に転換した可能性もあります。各国中央銀行の対コロナ金融緩和を背景とした株式市場の過剰流動性はかねてより指摘されていることですが、ここにきて現実味が増しています。

 ここでは足元反発の動きが急なバリュー株の中から主力株の次位、2番手や3番手に位置する銘柄を紹介します。