20年7-9月期は赤字縮小「ギャラクシー」3-4期開業で22年に全面回復へ

現地コード 銘柄名
00027

銀河娯楽集団

(ギャラクシー・エンターテイメント)

株価 情報種類

61.25HKD
(11/11現在)

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 マカオのカジノ大手、銀河娯楽の20年7-9月期の売上高は15億5,000万元と、前年同期比で87.8%落ち込む半面、前期を34.4%上回った。調整後EBITDAは9億4,300万HKドルの赤字だったが、前期(13億7,000万HKドルの赤字)比では縮小。客足が戻り始める中、客層別ではハイエンド部門、カジノの所在地別では人気のコタイ地区で改善傾向が見られた。BOCIは21-22年に見込まれる『ギャラクシー・マカオ』3-4期のオープンが、同社の市場シェアの拡大を後押しするとの見方。また、インバウンドの復調を受け、21-22年にはカジノ売上高とEBITDAも回復するとみる。うち21年に関してはやや慎重見通しを示しながらも、22年にはビジネスの全面回復と新規プロジェクトの貢献が期待できるとし、同社株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 7-9月にはウィンレート(勝率)が4.0%と、前月の4.7%から低下する半面、VIPカジノのローリングチップ利用額が前期比76%増加。VIP部門のGGR(粗収益:賭金総額から払戻金を差し引いたカジノの取り分)は前期比49.8%増の4億7,200万HKドルに達した。この数字は前年同期比では92.6%減と、マカオのVIPカジノ全体の92.5%減とほぼ同じ減少率だった。一般カジノのGGRは前期比160.1%増の3億5,900万HKドルに達したが、これはウィンレートが17.6%から21.7%に改善したことや、賭金額がほぼ倍増(前年同期比では95%減)したことが理由。カジノ市場における同社シェアは前期の15.8%から18.3%に上向いたものの、19年の20.9%には届かなかった。

 経営陣によると、カジノ業務は回復基調を続けており、連休時期を除けば、11月前半のビジネスはパンデミック後で最良だった。主力の『ギャラクシー・マカオ』では、一般カジノの10月のGGRが、コロナ前の19年実績の30-35%相当まで回復。VIPのGGRはやや弱く、約25%程度の戻りだった。EBITDAの採算ラインは19年のGGRに対して20%台後半の水準にあり、10月には小幅ながらもこのラインを上回ったという。また、小売部門の売り上げも19年実績の80%まで回復した。『ギャラクシー・マカオ』3期は21年下期に開業する予定(当初予定は21年上期)。向こう12-18カ月の設備投資について、経営陣は80億-100億HKドルとの見通しを明らかにしている。

 BOCIは21-22年の予想売上高を1-2%引き下げ、予想EBITDAを1%未満の幅で微調整。22年予想EV/EBITDA倍率で14.8倍をあてはめ、目標株価を据え置いた。14.8倍との基準は5年平均を5%上回るが、この水準に設定した理由として、◇カジノ業務の22年の全面回復見通し、◇「ギャラクシー」3-4期の開業効果(マカオではこの先当面、他の大型開発プロジェクトが限られる)、◇カジノ事業免許の更新(全6社の免許が22年に期限切れを迎える)における同社のリスクの低さ――を挙げている。