今後、投資してみたい金融商品・国(地域)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 吉田 哲

 今回は、毎月実施している質問「今後、投資してみたい国(地域)」で、「中国」と「ユーロ圏」を選択したお客様の割合に注目します。

 当該質問は複数回答可で、選択肢は、日本、アメリカ、ユーロ圏、オセアニア、中国、ブラジル、ロシア、インド、東南アジア、中南米(ブラジル除く)、東欧、アフリカ、特になし、の13個です。

図:質問「今後、投資してみたい国(地域)」で、「中国」と「ユーロ圏」を選択したお客様の割合の推移

出所:楽天DIのデータをもとに筆者作成

 2020年10月の調査で「中国」を選択した人の割合は18.25%、「ユーロ圏」を選択した人の割合は5.71%でした。

「中国」と「ユーロ圏」の割合は、2016年6月に行われた英国がEU(欧州連合)離脱を決めた国民投票を機に、ともに大きく下落しました。その後、しばらくはともに反発したり、横ばいで推移したりしましたが、特に新型コロナがパンデミック化した2020年3月以降、目に見えて2つの差が拡大しています。

 新型コロナのパンデミック化以降、「中国」大幅反発、「ユーロ圏」小幅反発となっているのは、新型コロナの感染状況が大きく影響していると考えられます。「中国」では4月以降、目立った感染拡大は起きておらず、「ユーロ圏」では9月中頃以降、爆発的な感染拡大が起きています。

 このような感染状況の差が、個人投資家の皆様が今後投資をしてみたい国(地域)を選択する際の、判断材料になっていると考えられます。

 この数カ月間のコロナの感染状況は、国や地域によって異なります。日本やオーストラリア、ニュージーランドなど環太平洋の島国における感染状況は、爆発的に拡大している欧州や米国、一部の新興国に比べれば、比較的小規模です。

 国や地域間の感染状況の差は、今後も、本設問の結果を左右する要因になるとみられます。引き続き、国・地域ごとの感染状況に、注目したいと思います。

表:今後、投資してみたい金融商品 2020年10月調査時点 (複数回答可)

出所:楽天DIのデータより筆者作成

表:今後、投資してみたい国(地域) 2020年10月調査時点 (複数回答可)

出所:楽天DIのデータより筆者作成