7-9月期決算は予想上触れ、5Gへの乗り換え加速が追い風に

現地コード 銘柄名
00728

中国電信

(チャイナ・テレコム)

株価 情報種類

2.47HKD
(10/23現在)

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 中国の大手通信キャリア、チャイナ・テレコムの20年7-9月期決算は、売上高、純利益ともにBOCIの予想を上回った。モバイル業務のARPU(加入者1人当たり月額収入)の低下幅が予想より小幅にとどまったためで、5Gプランの加入者純増数が年初から6,480万件に達したことが寄与した。BOCIは今後も5Gスマホの普及と5Gプランへの乗り換えがデータ利用量の大幅増を後押し、同社の追い風になるとみる。また、コスト面では、通信キャリア間の4G/5Gネットワークの共同建設、共同保有方式が、ネットワーク運営費用の軽減につながると指摘。目標株価を据え置いた上で、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。ただ、3大通信キャリアの中では引き続き、チャイナ・ユニコム(00762)を選好。以下、チャイナ・テレコム、チャイナ・モバイル(00941)の順としている。

 チャイナ・テレコムの7-9月の純利益は前年同期比6.2%増の48億元と、BOCIの予想から5.9%上振れた。総サービス収入は4.2%増の462億元と、これもBOCIの予想を2.6%上回った。

 モバイルARPUは7-9月に44.5元。前年同期比で1.7%減、前期比では0.7%減と、予想より小幅の減少率に踏みとどまった。5Gユーザーの年初からの純増数が6,480万件に達したことが背景。また、固定通信収入もBOCIの予想を上回り、5.5%増の938億元に達した。ブロードバンドのARPUの増加やデジタル化業務の6.9%の増収などが貢献した。

 7-9月のEBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)は前年同期比1.3%増の291億元だったが、EBITDAマージンは1ポイント低下した。ネットワーク運営費の10.6%の増大や、DICT(フィリピン情報通信技術省)関連ビジネスのコスト増を受けた「その他営業費用」の増大が重しとなった。

 BOCIは同社の目標株価を据え置き、株価の先行きに対する強気見通しを継続している。加入者の4Gから5Gへの乗り換えと、それに伴うデータ利用量の増大が追い風になるとの見方。また、21年には初期的な5Gネットワークの稼働に伴い運営費の伸びも減速し、利益成長を後押しするとみている。

 一方、レーティングの見直しにつながる可能性があるリスク要因として、BOCIはモバイルサービス市場における競争激化と、政府当局による料金関連の規制強化が採算面でマイナスとなる可能性を指摘した。半面、潜在的な支援材料としては、月間の加入者統計の変動を挙げている。