9月の出荷が全般に好調、車載レンズは32の伸び

現地コード 銘柄名
02382

舜宇光学科技(集団)有限公司

(サニー・オプティカル・テクノロジー)

株価 情報種類

125.80HKD
(10/12現在)

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 舜宇光学科技の最新出荷統計によると、スマートフォン用レンズセットとカメラモジュールの出荷量は、9月にそれぞれ前年同月比15.5%、21.9%の伸びを示した。BOCIはこうした数字を踏まえ、世界のスマホ出荷が年末に向け、回復傾向を示すとみている。また、車載用レンズセットの9月の出荷量は前年同月比で32%、前月比では18%増加しており、これが同社の利益成長の持続に寄与するとの見方。21年、22年の予想純利益をそれぞれ7.6%、3.7%増額修正するとともに、目標株価を大きく引き上げた。株価の先行きに対する見方を、中立から強気にアップグレードしている。

 同社の9月の出荷量は、スマホ用レンズセットが前年同月比15.5%増の1億6,700万個。スマホ用のカメラモジュールが同21.9%増の5,900万個。経営陣によれば、市場シェアの拡大が出荷増に寄与したという。

 車載レンズセットの出荷量は、9月に前年同月比32%増、前月比18%増の640万個。パンデミックによる海外取引先への悪影響が和らいだことが追い風となった。ほかに、顕微鏡機器の出荷台数は前月比11%増の1,700万台。パンデミックの影響から持ち直し、前年同月並みに戻した。

 新型コロナの感染が夏場に収束する中、中国のスマホ市場は回復傾向にあるが、8月の出荷台数は2,690万台。前月比で17%増加しつつも、依然として前年同月を12.9%下回った。一方、8月に発売された新型モデルは前年同月並みの45機種で、うち5G対応が22機種。8月には5Gスマホの出荷が1,620万台と、全体の6割を占めた。BOCIは大型ネットセール「独身の日(11月11日)」などのイベントを控え、9月以降もスマホ出荷の回復トレンドが続くと予想。特に「iPhone 12」の発売が、スマホ買い替え需要を喚起する可能性が高いとみている。

 BOCIは20年の利益見通しを据え置きながらも、21年、22年の予想純利益を7.6%、3.7%増額修正。さらに目標株価の算出基準を「20年予想」から「21年予想」ベースにシフトしたのに伴い、SOTP(サムオブザパーツ)方式に基づく目標株価を大きく引き上げた。スマホ用レンズ、車載レンズ、オプトエレクトロニクス(光工学)製品、その他製品という4部門について、それぞれ予想PER(株価収益率)28倍、33倍、22倍、18倍をあてはめたもので、新たな目標株価は21年予想PERで27.7倍。これは過去5年間の平均値を上回り、標準年差+1を小幅に下回る数字となる。

 一方、BOCIはレーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因として、米中対立によるスマホサプライチェーンへの影響と、欧米でのパンデミックの再拡大を受けた自動車サプライチェーンへの影響を指摘した。支援材料としては、10月14日の「iPhone 12」の発表を挙げている。