義務教育課程の売り上げが倍増ペース、留学対策も登録者数が回復傾向に

現地コード 銘柄名
01797

新東方在線科技

(クーラーン・テクノロジー)

株価 情報種類

33.05HKD
(9/29現在)

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 オンライン教育大手の新東方在線科技はこのほど、定例のカンファレンスコールを開催し、以下の通り、業務指標や業績見通しなどの情報をアップデートした。まず、業務構成の点では、21年度(21年5月通期)には義務教育を含むK12課程(幼稚園-高校)の売上構成比が大きく上向き、20年度の27.3%から、50%超に急上昇する見込み。少人数クラス、大人数クラスの売上高が21年度に、それぞれ前年比200%超、300-400%の幅で急増し、その後も年率平均100-200%の急成長を維持する見通しという。20年度の段階では、K12課程の生徒登録数が前年の3倍強に当たる190万人を記録。無料登録から有料登録への切り替え率も、K12の夏季講習において70%を超える水準に達した。一方、大学レベルにおいては、試験会場の増設を受け、海外の英語試験対策コースが回復傾向。BOCIは同社株価の先行きに対し、強気見通しを継続している。

 K12部門は高成長軌道に乗ったもよう。同社はターゲット市場を最大限にカバーするため、オンラインの少人数クラス「DFUB」と、大人数クラス「Koolearn.com」の両業務に力を入れている。うちDFUBでは、20年度に新たに109都市に進出し、体験センター数を172カ所に増やしたが、今後も毎年、80-100前後のペースで新設していく計画。新たな都市への業務基盤の拡大と稼働率の上昇が増収を後押しする可能性が高く、DFUBの売上高は21年度に前年比200%超、22-23年度には80-100%の伸びを達成する見通しという。一方、同社は新型コロナウイルスに起因する都市封鎖や移動制限が行われた旧正月休暇以来、オンラインの大人数クラス業務への投資を開始した。また、K12部門では、夏季コースから秋の学期にかけ、有料コースへの切り替え率が70%を超える水準に達した。

 一方、20年度の粗利益の88.4%を占めた大学教育課程も、新型コロナの影響から回復しつつある。海外留学を目指す学生らは目的地を米国からその他各国に切り替えているが、海外の英語試験に対するニーズは依然旺盛。また、中国の教育部試験中心(National Education Examinations Authority)が海外の英語試験センターを増設していることもあり、学生らが試験対策の個別指導コースに復帰しつつあるという。さらに修士課程を目指す学生も増えており、この分野でも個別対策コースの需要が増加傾向にある。

 このほか、企業向けの教育事業は粗利益率が70%超と高く、引き続き同社の利益成長エンジンの一つ。20年度には売上高の10.5%、粗利益の19.0%を占めた。

 BOCIは特に同社のオンライン少人数クラスの優位性を高く評価し、長期にわたって勝ち組となる可能性を指摘。株価の先行きに対して強気見通しを継続した。レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、オンラインのK12個別指導コースをめぐる過当競争が予想以上に長引く可能性を挙げている。