個別株への「リレー投資」の応用

 個別株投資バージョンのリレー投資は例えば以下のように行う。

(1)投資信託の積立投資の口座を開いて、毎月ノーロードで運用管理費用の安いインデックスファンドに積立投資を開始する。

(2)インデックスファンドの選択は一応外国株式と国内株式を半々に投資することを推奨するが、大差はないので、どちらか一方でも、あるいは全世界株式1本でもいい。

(3)3銘柄買える金額ができたら必要資金を解約して、個別株の購入に充てて、個別株のポートフォリオ運用を開始する。

(4)インデックスファンドの積立投資はずっと継続する。

(5)追加で買いたい銘柄の金額が貯まったら、また必要額を解約して、追加の個別株投資の代金に充てる。

(6)上記の(4)と(5)を継続し繰り返して個別株のポートフォリオを育てる。

(7)個別株のポートフォリオをどこまでも育ててもいいし、インデックスファンドへの投資を拡大してもいい。ただし、後者の場合、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)やつみたてNISAなどの口座を開いて優先的に使うといい(詳細後述)。

 仮に、毎月5万円の積立投資ができると、一年以内くらいに個別株投資を始めることができて、毎年大型株だと3〜5銘柄くらいに投資できる。3カ月くらいかけて次の投資銘柄を探すプロセスを、ほどよいリズムだと感じる投資家もいるのではないだろうか。

 個別株投資バージョンのリレー投資にもいくつかメリットがある。

 (1)積立投資で資金を確保する習慣ができることと、(2)投資機会を失わないことは、インデックスファンドのリレー投資と同じメリットだが、この他に、(3)個別株に興味を持っていても投資を始めるのが億劫だと思った場合にもともかく投資を始めるきっかけができること、(4)個別株投資を休んでいても投資が拡大的に継続できることなどが好ましい。

 また、(5)カード決済で投資信託の積立投資を行うとポイントが付与される証券会社もあるので、こうした仕組みを利用して投資信託経由で投資を行うと「ポイントが得だ!」と感じる投資家もいるだろう。