土地取得チャネルの多様性が強み、年率20%前後の成約増達成へ

現地コード 銘柄名
00123

越秀地産

(ユエシュウチサン)

株価 情報種類

1.48HKD
(9/22現在)

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 越秀地産の8月の物件成約額は前年同月比132%増を記録したが、BOCIは分譲対象物件の豊富さを理由に、年内は力強い伸びが続くと予想。これが同社株価の支援材料になるとみている。同社経営陣は「2025年までに年間成約額2,000億-2,500億元を目指す」との目標を掲げており、これは19-25年に年率平均19-23%の販売増を意味するが、BOCIは公共交通指向型開発(TOD:公共交通機関を基盤とし、自動車に依存しない地域・都市開発)プロジェクトを含む多様な土地調達手段の確保が、強気の目標設定の背景にあるとの見方だ。また、今後も25-30%の粗利益率を維持し、ROE(株主資本利益率)は近く2桁台に乗せると予想。同社株に対する再評価の可能性を指摘し、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 最新の販売統計を見ると、1-8月の物件成約額は前年同期比17.3%増の517億元。8月単月では前年同月比132.1%増の77億元だった。前年実績の低さが8月の急増の一因とはいえ、BOCIは年内好調が続くとみる。同社の20年の分譲対象物件は1,461億元規模で、当初設定した通期の成約目標は800億元。ただ、これには広州地鉄集団(GZM)と提携したTODプロジェクトなど、20年に追加した新規案件は含まれておらず、BOCIは新規分を加えれば、通期成約額は前年比32-39%増の950億-1,000億元に達すると予想している。特に下期には、前年同期比54-72%の伸びが見込めるという。

 同社は最近、広州市(広東省)政府系の国有企業であるという強みを生かし、土地取得チャネルを多様化させている。その一つがTODプロジェクト。19年にGZMから取得した3件の収益貢献は20年に100億元に達するとみられ、20年に入ってから取得した新規プロジェクト2件(総床面積100万平米規模)の成約額も20億-30億元に上る見通しという。さらに21年-23年には毎年、総床面積100平米規模のTODプロジェクトの取得を見込んでおり、この分の分譲可能資源が年400億-500億元に上るとみている。また、もう一つの土地取得手段は、他都市の地方国有企業との連携。成都市や蘇州市などの企業と組んで各地で共同開発事業に参画できる点が同社の強みであり、こうした共同事業の分譲可能物件が向こう数年にわたって約1,000億元に上るとみる。このほか、地元広州市当局から公共住宅建設を請け負う代わりに、安価で土地を取得できるという“住宅+政府”プロジェクトに参画できるという点でも同社は有利。こうした公共関連プロジェクトも約1,000億元規模に達する見通しという。

 BOCIによると、同社の現在株価は20年予想PBR(株価純資産倍率)で0.5倍、20年予想PER(株価収益率)で5.2倍にとどまり、1株当たり予想NAV(純資産価値)の3.47HKドルに対して57%低い水準にある。BOCIは高成長見通しや財務の安定性、土地取得手段の多様化などを評価し、現在株価の魅力を指摘。株価の先行きに強気見通しを維持している。