FOMC後の記者会見で明確な約束

 先週のドル/円は、15~16日に行われたFOMC(米連邦公開市場委員会)前までは105円台が中心取引レンジでしたが、FOMC後は104円台が取引の中心となり、終値も104円台が続き、じりじりと円高にいっています。

 FOMCでは、8月にFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が2%の物価目標の柔軟化を表明していたことから、FOMCの声明文に新たな政策指針をどのように盛り込まれるのかが注目されていました。声明文では「物価上昇率が2%の目標を下回り続けているため、当面は2%を適度に上回る物価上昇を目指す」と、8月の平均物価目標の考えが盛り込まれていました。そして、物価上昇率が2%に達してもすぐには利上げしないことを、記者会見では「明確な約束」と強調しました。

 8月の表明がFOMCの声明文に明確に盛り込まれたことから、今後のFRBの政策指針となるため、この先数年間はFRBの金融政策を探るときには大前提の考え方となることに留意しておく必要があります。