株式市場では度々、株価の割安性に注目が集まります。これは、株価を決定する要因として、需給関係があるためです。では、早速ですが、ここで問題です。

Q:投資信託の基準価額に「割安」または「割高」な水準というのは存在するのでしょうか。

 解答は後ほど。

投資信託の基準価額は需給だけでは決まらない

 一般的に、投資信託は基準価額1万円から運用を開始します。株式投資に慣れている方だと、例えば基準価額が5,000円まで低下しているような投資信託を見ると「お買い得感」が漂っているように感じてしまうかもしれません。しかし、「値下がりしている」という理由だけで投資信託の商品の購入を決めてしまうのは大きな誤りです。なぜなら、投資信託の基準価額は、株式のように必ずしも需給が価格を決定するのではなく、運用の成果が反映されるものだからです。

 投資信託の基準価額は、ファンドに組み入れられている株式や債券の時価総額を、保有者全体の口数で割ったものです。あくまでも運用の成果である純資産総額を、投資信託の保有者全体で割った結果にすぎないのです。したがって、基準価額だけを見ただけで、その投資信託が割安か、割高かを判断することはできません。

 このように、「売り」と「買い」の需給関係によって値段が決まる株価と投資信託では、金融商品としての性質が本質的に異なっています。株式は、「買いたい」と思う投資家が増えると株価が上昇しますが、投資信託は、需要が増加しても、基準価額には素直に反映されません。なぜなら、需要の増加に伴って口数も増えるからです。

 繰り返しになりますが、投資信託の基準価額に反映されるのは運用の成果であって、「割安か」「割高か」など、オトク度を測る指標ではありません。では冒頭の質問の解答がこちらです。

Q:投資信託の基準価額に「割安」または「割高」な水準というのは存在するのでしょうか。

A:存在しません。

 では、投資信託には指標や評価基準はないのでしょうか。