国際的に信認される強いリーダーになるための3つのハードル:最初のハードルは「解散総選挙」

 菅氏が総裁選で圧勝できたのは、「アベノミクス継承」を前面に打ち出したからです。実際に菅氏が強いリーダーシップを発揮できるかは、これから試されます。3つのハードルを越える必要があります。

【1】    解散総選挙で安倍首相のように大勝できるか?
【2】    組閣人事で、官邸主導を貫く強力布陣を構築できるか?
【3】    長期安定政権を作れるか?来年9月で終わりの短命政権と思われないか?

 最初のハードルは、解散総選挙です。菅氏は自民党総裁選で圧勝して総裁に就任、首相に就任する見込みです。ただし、国民によって選ばれたわけではないので、通常ならば、国民に信を問うために、近く衆院解散総選挙が行われます。そこで、自民党が大勝して始めて、国民の信を得た強い政権と、国内外で認められることになります。

【参考】解散総選挙に強かった小泉元首相と、安倍首相

 外国人投資家は、強いリーダーシップを発揮して長期安定政権を作った安倍内閣を高く評価してきました。また、郵政解散で勝利した小泉政権の強いリーダーシップも、外国人は高く評価してきました。実際、安倍首相・小泉首相がからむ解散総選挙では、以下の通り、自民党大勝が決まる都度、それを好感した外国人の買いで、日経平均は上昇していました。

衆院解散総選挙の前後の日経平均の動き:2005年―17年に行われた5回の解散総選挙を比較

注:解散総選挙の投票日の1営業日前の日経平均の値を100として指数化。 横軸の0(ゼロ)は、解散総選挙実施日の直前の営業日。▲28は、その28営業日前、58は58営業日後を表す。実施年の右横に、解散総選挙の結果、成立した内閣を記載。楽天証券経済研究所が作成