NASDAQにおける中長期トレンドの転換懸念

 そして、NASDAQにおける中長期トレンドの転換懸念もくすぶっています。

■(図4)NASDAQの平均足(週足)とMACD(2020年9月11日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図4は、NASDAQの平均足(週足)とMACDの推移です。

 以前のレポートでも何回か紹介した通り、平均足とMACDの組み合わせはトレンドの転換を判断するのによく使われます。見方のポイントは、「平均足の転換(陽線が陰線、陰線が陽線に変わる)後にMACDとシグナルがクロスしたかどうか」です。

 先週の取引でNASDAQの平均足は3月末以来の陰線が出現しています。下段のMACDとシグナルはまだクロスしていませんが、このままクロスしてしまうと、週足ベースでもトレンドの転換サインとなってしまいます。図4でも過去にさかのぼるとトレンドの転換サインとして機能していることが分かります。

 しかも、先週末時点のMACDの値が654pと高水準となっているため、いざトレンド転換と判断されると、大きく株価が下がる可能性もあり、足元の日本株もデカップリングと言っていられなくなる状況も有り得ます。

 今週は新政権の誕生などで何かと国内に視線が向かいがちですが、米国株がひとつの正念場を迎えているかもしれない点には注意しておく必要がありそうです。