大切なのは、子供を支援するのではなく、自立させること

 私が学生時代に培った経験は、
(1) 資産運用について真剣に考え、ワクワクし、青ざめる経験もしたこと
(2) お金のやりくりを、身をもって体験したこと
(3) 追加の資金援助を得ずに、与えられた資金で、自己責任のもとで卒業まで至ったこと

です。

 (1)については、私は、若いうちに資産運用で青ざめておいたほうがいいという考えを持っています。まだ資産も少ない若いうちに、しっかり経験をして、どのくらいのリスクを取ったら自分は青ざめるのか、資産運用はどれだけ難しいのかを知っておくことです。人は得てして「自分は大丈夫だ」と思いがちです。退職金で初めて運用するという方も少なくないと思いますが、将来を考えると失敗できない資金です。退職金の運用で初めて青ざめ、資産を減らしてしまうと、取り返しがつかなくなってしまいます。

 (2)、(3)については、計画をもって行動しないと、待っているのは破綻です。有り金を計画なく使ってしまうのではなく、先々を考えていく。このお金のやりくりの経験が、その後の人生の役に立っています。うまくいく、いかないも自己責任。そこに言い訳は通用しません。

 私が10代から資産運用をさせたほうがいいというのは、そのことが子供の自立につながるからです。決して「自分は働かなくても投資で生きていける」と勘違いをしてしまう若者や、ギャンブラーを育てることではありません。真逆です。

 逆境や苦境が人を育てます。親が子を思って支援すればするほど、子は親を頼ってしまい、自立できなかったりします。何事も経験です。大切なお子さんのために、思い切ってお金を渡し、「あとは自分でやれ」ということをやってみてはいかがでしょうか?

 きっと自立した立派なお子さんに育つことでしょう。