本当の意味での対処法とは?

 では一喜一憂に本当の意味で対処し、“一喜一憂の世界”から出て資産運用で成功していくにはどうしたらよいのでしょうか?それは、“一喜一憂”を避けるのではなく向き合うことです。戦うことです。一喜一憂を避けようとして国際分散投資で「気にしないでください」と言われても、一喜一憂を克服していない限り、私たちは一喜一憂してしまうと思うのです。一喜一憂するなと言われても難しいのです。

 一喜一憂と向き合うとはどういうことでしょうか? 一喜一憂は「高いところで買わせて、安いところで売らせる」を私たちにさせるとお伝えしてきました。一喜一憂と向き合う=「安いところで買って高いところで売る」をすることです。

 その手法がバリュー投資です。バリュー投資とは「本来価値から割安な水準で買付け、割高な水準で売却する」という手法です。

 中長期で資産を殖やしている人はバリュー投資の考え方で運用していると私には見えます。バリュー投資は割安に着目しているので、本当に割安を見極めることができればパフォーマンスが良いのは当たり前です。このバリュー投資の考え方で運用しているかが成功の鍵と見ています。

 ただ、私たちにとって問題なのは、バリュー投資をするには割安かどうかを見極める能力が必要で、かつ、一喜一憂を克服していないと継続できない手法なのです。一喜一憂してしまう人からすると、「マーケットが下落して“怖い”という感情が出るところで買い、上昇して“ワクワク”している時に売りなさい」ということになるのです。頭では分かっていても感情が許さない、「悲観で買って楽観で売る」、その通りだけど動けない、と私には見えるのです。