コロナ禍も海外事業はおおむね順調、現金収支も下期に大きく改善へ

現地コード 銘柄名
01186

中国鉄建股フン有限公司

(チャイナ・レールウェイ・コンストラクション)

株価 情報種類

 5.94HKD
(9/2現在)

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 BOCIは2日、中国鉄建の20年中間決算発表後の定例カンファレンスコールを主催した。投資家がこの場で示した同社への懸念事項は主に、営業キャッシュフローの流出超過とパンデミックによる海外事業への影響。うち営業キャッシュフローの純流出額は20年上期に481億元と、前年同期の325億元から増大したが、これは主に新型コロナの影響による現金回収の遅れと、下請け業者に対する迅速な支払いによるもので、経営陣は下期には状況が改善するとの見方。20年通期の営業キャッシュフローは流入超過に転じるとみている。また、海外プロジェクトに関しては感染対策を徹底しており、大半が正常に進行しているという。BOCIは同社の利益見通しと目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 同社経営陣はカンファレンスコールで、20年下期に対して楽観見通しを示した。他のゼネコン銘柄と同様、上期には営業キャッシュフローの流出超過額が前年同期比で膨らんだが、下期にはパンデミックの影響の緩和に伴って現金回収が進み、キャッシュフローが改善すると予想。20年通期では流入超過に転じる可能性が高いとしている。

 海外では依然としてコロナ禍が深刻だが、同社の海外プロジェクトの多くは問題なく進行している。現地では感染対策に加え、スタッフ配置の適正化などでパンデミックの影響に対処しているという。経営陣によれば、海外での受注残は依然充足しており、20年通期の新規受注目標(2,800億元)の達成も十分可能。上期の段階では、海外での新規受注は760億元だった。

 一方、BOCIは今後の収益成長において、住宅建設業務がカギを握るとみている。20年上期の新規受注は前年同期比43.0%増(19年通期に前年比48.5%増)と好調だったが、旺盛な住宅建設需要は今後も続く見込み。同業務の売上構成比はこの先、急速に上向き、22年をめどに主力の鉄道建設部門を逆転する可能性が高いという。

 BOCIは20年予想PER(株価収益率)でわずか3.2倍という同社の現在株価の低バリュエーションを指摘。堅実なファンダメンタルズを理由に、より高い評価に値するとし、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。また、傘下の機械設備メーカーが20年末までに、上海のハイテク企業ボード「科創板」に上場する計画が、同社株価の支援材料になる可能性が高いとしている。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、海外でのパンデミックが予想以上に長期化する可能性を挙げている。