今週の予想
日経平均は先週末の下げを取り戻した後、2万3,000円水準で再びもみ合いへ
先週の日経平均株価は、米株式の上昇と1ドル=106円台半ばの円安を受けて、2万3,400円台まで上昇し、終値では2万3,300円を前にもみ合っていましたが、週末28日(金)の午後、安倍晋三首相の辞任報道で急落。終値は2万2,882円で引けましたが、引け後の米国市場はほとんど影響なく、主要3指標そろって大幅上昇となりました。
今週の日経平均株価は、この米国市場の動きと、「ポスト安倍」も大きな波乱なく決まる動きとなれば一時的な国内政治問題として、先週末の急落分の戻りを試し、再び2万3,000~2万3,500円の中のもみ合いとなりそうです。結局、日経平均は再び、米国株式と為替によって影響される動きが続くことになります。
27日のジャクソンホール会議でのパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長発言で、従来の「2%」を「一定期間の平均で2%」に変更し、2%を下回る期間が続いた後は、一時的な2%超のインフレを容認するという金融政策の新たな指針が示されたことで、米長期金利が上昇し、ドル買いが優勢になりました。翌28日は東京市場でドル/円が106.95円まで買われましたが、安倍首相辞任報道で日経平均が急落し、リスク回避のドル売りとなって、一時105.20円まで下げました。
しかし、このパウエル発言は、完全雇用とインフレを健全な水準に戻すことを目指してゼロ金利を長期間堅持する方針であり、米国株式の上昇とドル買い・円売り基調は変わらないとの見方が多いようです。
今後の注目すべきは9月4日の雇用統計となり、失業率が10%を下回れば景気回復期待で株高・ドル買いの動きとなり、日本株式の戻りをサポートすることになります。