量的緩和で不動産収入が増える理由
しんた:「J-REIT(ジェイリート:上場不動産投資信託)」って知ってる?「不動産の投資信託」なんだ。ここはね、不動産会社の代わりに、ファンドが運営をしているんだ。不動産会社とJ- REITの違いをまとめてみたよ。
<不動産会社の場合>
<J-REITの場合>
しんた:J-REITは、投資家から資金を集めて分配金を出すところ以外は、不動産会社とほぼ一緒。
ひな:本当だ。
しんた:そうすると、J-REITに投資している投資家の収益の分配金は、その大部分が「家賃収入」と「借り入れ利息」の差し引きになるよね。
ひな:あ、そっか。だから、量的緩和で金利が下がると、利息の支払いが減るから、J-REITの投資家の分配金が増えるんだ!
しんた:そのとおり! さらに、低金利を背景に、不動産の売買も活発になるから、物件の価格も上昇し、賃貸料も徐々に上がっていく可能性が高くなる。
ひな:しんた君が、J-REITの投資家の収益の分配は、その大半が家賃収入と借り入れ利息の差し引き、っていってたけど、量的緩和をすると、家賃収入が上がって、借り入れ利息が下がるんだから、分配金はがっぽりあがる、ってわけね。
しんた:がっぽり、かどうかは分からないけど、上がる確率は高くなるよね。あと、他の一般の会社だと、J-REITとは違って、家賃収入と借り入れ利息以外にも、いろんな要素があるから、量的緩和の恩恵を受けやすいのは、J-REITが高いかな、って思うよね。
ひな:なるほど。だから、第13話で言っていたみたいに、アベノミクスが開始したときに、日経平均株価よりJ-REITの上昇率が高かったんだ。
しんた:J-REITは借り入れ金利の動きに敏感だからね。だから、同じ理由で、借入比率の高い会社の株価だって、上がりやすくなるみたいだよ。
アベノミクスが始まってからもう7年以上たつけど、物価の上昇率が目標に届かないから、その後も追加で量的緩和を何度かやったし、今でも量的緩和、やってるじゃん? しかも、ご丁寧に日銀がJ-REIT買っているから、下支え効果抜群だよ。本当「国策」って、重要だよね。
ひな:なんか、しんた君、頭いいね! かっこいい!
国策は重要
しんた:えへ。じゃあ、続きも教えちゃう。第14話「新安倍内閣を分析!政策ポイントは?ファンドに関係あるの?」で先生に聞いた、自動運転。やっぱり、政府が絡んでいるみたい。しかも、日本政府だけじゃなく、海外政府も。
ひな:え? 海外も?
しんた:うん。アノ話を聞いて、ネットで「自動運転 政府 施策」とかで検索してみたら、色々とヒットしたんだ。目標スケジュールまで決まっているみたい。先生も、今回発表された「国策」は、これからスケジュールを組むって言ってたもんね。
ひな:そっか。確かに、アメリカのテスラ、って名前を聞いたことあるし。世界的なんだね。
しんた:ついでに言うと、この自動運転、5Gと呼ばれる第5世代移動通信システムのインフラ整備がカギを握っているんだけど、これも政府の施策になっている。
ひな:なるほどー。じゃあ、自動運転とか、5Gとかの銘柄を集めたファンドがあれば、注目だね。
しんた:まぁ、もうすでに上がっているだろうから、あまり高値でなければいいんだけど。
ひな:でも、すごい勉強になったよ。なるべく情報のアンテナを高くして、政府の施策が発表された段階で、該当する銘柄を探すといいんだね。そして、早めに投資する。
しんた:ということで、今後の情報収集、頑張ろう!
ひな:うん! 頼りにしてます!