優待銘柄の買いどき

――桐谷さんは優待銘柄を選ぶとき、会社の事業内容や業績はあまり気にせず、優待品と利回り重視で選んでいるそうですね。

桐谷 買いたい銘柄のリストをつくり、株価をチェックしていて、「総合利回り」(配当+優待を合わせた利回り)が4%以上になったときに買い指値をするのです。

――「総合利回り」はどんなふうに計算するのですか。

桐谷 まず「配当利回り(%)」を計算します。
計算式は「1株当たりの年間配当金額÷1株購入価額×100」

 次に優待利回り(%)を計算します。
「優待品の換算金額(年間合計)÷優待をもらうのに必要な投資金額×100」。配当利回りと優待利回りを足して配当優待利回り(%)を出します。

 つまり「配当利回り(%)+優待利回り(%)」ですね。

――欲しい銘柄の総合利回りが3%だったとしたら?

桐谷 よほどのことがない限り、配当金額は年間で決まっているし、優待品の換算金額も大きく変わることはあまりありません。そのため株価が値下がりすれば3%の銘柄が4%になるわけです。

――コロナで様子が変わりましたよね。

桐谷 配当を、減配・無配の会社も出ているので確認してください。一方で、コロナ禍で株が下がったときは、配当だけで利回り4%以上の会社が1,000社ほどになりました。

――買い指値というのは、買いたい値段を指定して注文する方法ですよね。買い指値をするのはなぜ?

桐谷 私は「パソコンの前で常に株価をチェックし、売買」というやり方はしません。買いたい値段を指値(指定)して、約定(売買が成立)するのを待っているのです。優待投資はこちらのほうが向いていると思います。
※指値の反対は成行注文(値段を指定しない注文。すぐに約定しやすい)

――買えなかったら?

桐谷 気長に値下がりを待つか、ほかの安い株を探しますね。