IMMポジション推移(09/05~09/26)

 

円:円のネットショートが急増。前週比39%増える

 CFTC(全米先物取引委員会、Commodity Futures Trading Commission)発表の9月26日現在の建玉報告によると、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)通貨先物市場において、投機筋の円のネット枚数(円の買い建玉と売り建玉の差)は、7万1,347枚のショートで、円の売り持ち残高が多い状況です。ドル換算にすると、約79億ドル相当のドル買い持ち(円の売り持ち)になります。しかし、円のネットショート枚数は、前週比で39.0%(約22億ドル)と大きく増加。

 売買別では、買い建玉(円ロング)が前週比約0.6%縮小。一方、売り建玉(円ショート)は前週比約21.2%拡大。円ロングにほとんど動きがなかったのとは対照的に、円ショートは大きく増えました。ドル円がわずか3週間で107円台から5円以上も大きく円安に進んだ背景のひとつに、投機家のポジションが急ピッチで円ショートを積み増したことが考えられます。

IMM円  2015.09~2017.09

 

ユーロ:ユーロのネットロングが、前週比4割増。売り建玉の手仕舞いが理由か

  • ユーロのネット枚数(ユーロの買い建玉と売り建玉の差)は8万8,167枚のロングで、ユーロの買い持ちが多い状況が続いています。
  • ユーロ換算にすると、約110億ユーロの買い持ち(=約130億米ドルの売り持ち)。
  • ネットロング枚数は、前週比で40.5%増加しました。
  • 売買別では、買い建玉が前週比3.3%減り、売り建玉も25.0%減りました。この報告書の時点のユーロ/ドルは、1.20ドルをピークに下げが加速中。この動きで投機家は売りポジションを買い戻して利益を確定させることを優先した模様。新規のポジションを買い建てるにはまだ慎重さがあるようです。

IMMユーロ  2015.09~2017.09

 

豪ドル:豪ドルのネットロング増える。売り建玉の縮小で

  • 豪ドルのネット枚数(豪ドルの買い建玉と売り建玉の差)は7万7,194枚のロングで、豪ドルの買い持ちが多い状況が続いています。
  • 豪ドル換算にすると、約77億豪ドルの買い持ち(=約60億米ドルの売り持ち)。
  • ネットロング枚数は、前週比6.5%増加しました。
  • 売買別では、買い建玉が前週比0.5%増える一方、売り建玉は前週比13.7%減りました。

IMM豪ドル  2015.09~2017.09

 

ポンド:ネットショートが、前週比8割の大幅減

  • ポンドのネット枚数(買い建玉と売り建玉の差)は、5,054枚のロングで、ポンドのポジションが売り持ちから買い持ちへと転換しました。2015年11月以降の出来事です。
  • ポンド換算にすると、約3億ポンドの買い持ち(=約4億米ドルの売り持ち)。
  • BOE(英国中央銀行)が年内利上げへ向けて急に舵を切ったことで、ポンドの売り建玉が減り、ネットポジションはロングに切り替わりました。もちろん、ロングが定着するかどうかは今後の推移を見守らなくてはいけませんが、1年3カ月前の英国民投票の時点で、ポンドを買い持ちにする時代がやってくるとは誰が想像できたでしょうか?

IMMポンド  2015.09~2017.09