20年6月中間期は14%のコア増益、業務正常化で下期に成長加速へ

現地コード 銘柄名
02688

新奧能源控股

(ENNエナジー)

株価 情報種類

91.20HKD
(8/21現在)

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    新奥能源の20年6月中間決算は、コア純利益が前年同期比14%増の31億1,200万元に達し、BOCIの予想を上回った。利幅の改善やガス販売量の伸び、統合エネルギー(熱源・電力・蒸気など天然ガス以外のエネルギー)事業の急成長などがけん引した。新型コロナウイルスの影響から脱し、ビジネスが正常化するのに伴い、BOCIは下期の純利益が上期を33%上回ると予想。20-22年のコアEPS(1株当たり利益)見通しを2-3%増額修正した。目標株価を小幅に引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

    20年6月中間期の純利益は前年同期比20%減の26億9,300万元。一方、未実現のヘッジ損益や、減損損失、売却損益、為替差損益、ストックオプション費用などを除くコア純利益は同14%の伸びだった。ガス調達手段の最適化(LNG108万トンを輸入)により、1立方メートル当たりの利益が前年同期の0.58元から0.61元に改善し、ガス卸売部門の粗利益率は0.4%から1.7%に上昇。統合エネルギー部門では新規プロジェクトの貢献もあり、粗利益率が前年同期の2倍を記録した。

    ガスの小売販売量は上期に前年同期比4%増。19年に取得した新規の都市ガスプロジェクトが一部寄与した。上期には新たに都市ガスプロジェクト12件を獲得(地域人口計217万人)。これで、同社が保有するプロジェクト総数は229件(地域人口計1億800万人)となった。

    同社経営陣によると、20年通期のガス小売販売量は少なくとも前年比より10%増加し、新規のガス管接続世帯数は230万世帯に上る見込み。この予測値は過去数年のガス販売量の伸び(12-15%)や前年の接続実績(250万世帯)を下回る。一方、利幅は上期の水準を維持する見通しという。経営陣はまた、20年通期に新規プロジェクト20-30件の獲得を目指すという目標を据え置いた。統合エネルギー事業と付加価値サービス事業の売上高に関しては、少なくとも50億元、20億元に上ると予想。同社全体のコア利益については、前年比15%増との見通しを維持している。

    BOCIは下期の純利益が上期を33%上回るとみているが、これは新規のガス管接続業務や、統合エネルギー事業、付加価値サービス事業の力強い伸びが背景。この3部門の売上高がそれぞれ、上期比で34%増、2.1倍、2.2倍に達するとみている。

    BOCIは引き続き20年予想PER(株価収益率)17倍をあてはめ、利益見通しの増額修正を反映させる形で目標株価を引き上げた。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。一方、レーティング見直しにつながる可能性がある潜在リスク要因としては、統合エネルギー事業および付加価値サービス事業の成長ペースが予想を下回る可能性、自動車用ガスビジネスを対象に、多額の減損損失を計上する可能性を挙げている。