925日:成長性や質で生保系銘柄の格差が拡大へ、中国平安保険などを有望視

 本土系保険銘柄の年初来値上がり率はこれまでに14-58%に達したが、個別では中国平安保険(02318)が値上がり率トップとなり、中国人民保険集団(01339)とその子会社・中国人民財産保険(02328)がそろって下位だった。BOCIによると、保険銘柄の現在株価は、17年予想P/EV倍率(株価EV倍率)で0.7-1.3倍、18年予想P/EV倍率で0.6-1.1倍の水準にあり、2017年予想PBRは平均1.6倍、同PERは平均15.4倍。ビジネス構成の優良化や高成長見通しを考慮すれば、引き続き魅力的な水準にある。ただ、BOCIは17年7-9月決算を含め、短期的には再評価を促すための支援材料に欠けるとの見方。また、生保各社の商品ミックスの改善を受け、セクター全体で平均P/EV倍率が上向くと予想しながらも、個別銘柄のバリュエーションが今後は二極化すると予想。中国平安保険、中国太平洋保険(02601)、新華人寿保険(01336)をトップピック銘柄とし、株価の先行きに対して強気見通しを示している。

 当局の引き締め策の影響で保険料収入の伸びが減速する中、保険各社は17年に入ってから商品ミックスの改善に照準を合わせている。その結果、新たに主戦場となったのは長期の保障型・貯蓄型商品。BOCIはこうした状況下で、品質面で生保各社の差別化が進み、成長力が二極化する可能性を指摘している。

 生保各社が商品ミックスの改善戦略を掲げる中、BOCIは新たに生保銘柄を対象とした総合評価指標を導入した。成長率、利益率、ALM(アセット・ライアビリティ・マネジメント)、C-ROSS(中国版「ソルベンシー2」、China Risk Oriented Solvency System)、利益、戦略、ガバナンスなどをすべて加味した指標で、中国平安保険の平均84.38点がトップ。以下、中国太平洋保険が81.88点、新華人寿保険が72.50点で続き、中国人民保険集団の生保子会社である中国人民人寿保険(PICC Life)が最下位の65.00点。

 最近の業界動向から、BOCIは生保各社にとって、営業部隊が最大の無形資産になると指摘。今後は営業スタッフのプロ化に向けた養成が必要になるとしている。この点では、中国平安保険が明らかに頭一つ抜けた存在であるという。

 BOCIは保証利率改革の後、C-ROSSの履行が生保各社の競争環境を変えるとの見方。長期保障型商品の比重拡大で、各社が資本効率重視の姿勢を強めている現状を挙げた。

 BOCIは引き続き損保系銘柄より生保系銘柄を有望視する中、18年には生保各社が明暗を分けると予想。損保を含むカバー銘柄を、中国平安保険、中国太平洋保険、新華人寿保険、中国人民保険集団、中国太平保険控股(00966)、中国人寿保険(02628)、中国人民財産保険の順で有力視している。最下位の中国人民財産保険は16年から生保系各社をアンダーパフォームし、現在株価の17年予想PBR1.4倍。ただ、関連会社を除いたコアROEの低下が続いており、株価に対する慎重見通しを継続している。