上昇相場でも銘柄ごとの上昇率は大きく異なる

 一昔前は、上昇相場ではほぼすべての銘柄の株価が上昇し、逆に下落相場であればほとんどの銘柄の株価は下落する、というのが当たり前でした。

 ところが今は、日経平均株価のような株価指数と個別銘柄とでは値動きに大きな差があります。上昇相場での上昇率、下落相場での下落率ともに銘柄ごとに大きく差があることも事実ですし、日経平均株価が上昇を続けてもさっぱり上昇しない銘柄も少なくありません。

 上昇相場で日経平均株価を大きく超える上昇率が得られるような銘柄選びを行い、限られた資金でできるだけ高い成果をあげたいと思う個人投資家の方も多いのではないでしょうか。

業界下位銘柄や低位株ほど株価変動が大きい

 とするなら、株価変動が大きく、相場上昇時に高い上昇率が期待できる銘柄に投資するのが効果的となります。

 一般的に、同業種であれば業界上位銘柄より下位銘柄の方が、株価変動が大きくなります。これは、業界上位銘柄は相対的に業績が安定している一方、業界下位銘柄は業績の変動が激しい傾向にあることが1つの理由ではないかと考えられます。

 また、株価水準自体が高い銘柄よりも低い銘柄の方が株価変動は大きい傾向にあります。株価10,000円の値がさ株が10%上昇する間、株価100円の低位株は50%上昇した、ということはよく起こります。ただし、あまりに株価が低い銘柄は倒産リスクも高まりますから注意しましょう。

 さらに、東証1部銘柄よりもマザーズ、ジャスダックなど会社規模の小さい新興市場銘柄の方が株価変動は大きくなります。今年4月以降の上昇局面では、新興市場銘柄に株価2倍、3倍に跳ね上がったものが続出しました。