●自動車産業は循環的な成長産業?

 自動車産業は、世界全体で見ると、これまでは循環的な成長産業でした。世界の自動車販売台数は、不況期にマイナスになることがありますが、好況期に戻ると、過去最高を更新してきました。

世界の自動車販売台数

出所:国際自動車工業連合会(OICA)より楽天証券作成。2020年は楽天証券予想

 世界の自動車販売は、2008-09年にリーマン・ショックでマイナスとなった後、2010~17年は安定成長が続きました。ところが、2018年は伸び悩み、2019年から減少に転じていました。2020年はコロナショックで、販売が一気に▲17%まで落ち込むと予想しています。

 ただし、自動車販売は循環します。コロナ・ショックで今、買い替え需要が抑えられているため、潜在的な買い替え需要が積み上がってきている可能性もあります。その場合、2021年の世界自動車販売は、前年比で20%以上の増加になることもあり得ます。

 世界販売がいつ回復に向かうか、予測するのは困難です。ただし、一つだけ言えることは、世界販売は、循環するということです。今4-6月期が最悪期で、以後ゆるやかに回復していくと考えると、自動車株への投資をそろそろ考えた方が良いと考えます。

 最初は、トヨタ・ホンダなど、競争力・収益力の高い銘柄から、投資を始めたら良いと考えています。

 日本は、自動車王国です。自動車産業で、ドイツと並び、圧倒的な強さを誇ります。自動車だけが強いわけではありません。自動車製造用ロボット・自動車部品・素材などの関連産業でも、日本は世界をリードしています。

 もし、自動車産業が最悪期を脱し、自動車株が買えるようになるならば、日本株全体への外国人投資家の投資姿勢も、ポジティブに変化する可能性があります。そうなると、日経平均の上値余地も広がると判断しています。