【2】失業時のセーフティネット
失業したら、まずは失業保険
失業した場合のセーフティネットとして、まず思い浮かぶのは失業給付金、いわゆる失業保険です。手続きや注意点について聞きました。
「ハローワークで手続きする際には離職票が必要になるので、いつ離職票を発行してもらえるか、雇用先に確認しておくことをおすすめします。離職票は郵送での受け取りが普通ですが、住む場所がなくなっている場合は、手渡しが可能かどうかも確認しましょう。手続き時にハローワークから通知された指定日を逃すと給付が遅れるので、指定された日時は必ず守ってください」(野田氏)
手続きがスムーズにいっても、すぐに失業給付金をもらえるわけではありません。給付までの期間をどう乗り越えればいいのでしょうか。
「失業給付金を受給するまで、会社都合退職でも最短1カ月、自己都合ならさらに長くかかります。手元に生活費がない場合は、失業給付金までのつなぎとして一時的な生活保護を受けることもできるので、絶望せずに自治体や福祉事務所などに相談してください」(野田氏)
野田さんからのアドバイス
住居の確保は最優先!
「住居がない場合、無料宿泊所を利用することもできますが、離職票の受け取りや各種手続きなどで住所が必要になります。生活の立て直しのためにも、住居の確保は最優先の課題であることを知っておきましょう」(野田氏)
【3】全国民のセーフティネット
生活保護制度はすべての国民が受けられるセーフティネット
生活保護は、憲法で保障されている「健康で文化的な最低限度の生活」を送ることができるよう、すべての人が受けられるセーフティネットです。しかし日本では、本来は生活保護が必要であるにもかかわらず受給していないケースが、海外に比べるとかなり多いという現実があるようです。
「日本の生活保護の捕捉率が低いのは、本人が恥ずかしいと思ってしまったり、家族から反対を受けたりと、さまざまな原因があります。日本には周囲の目や世間体を気にする文化があるため、本当の窮地に陥るまで我慢してしまうんですね」(野田氏)
しかし、そうなる前に生活保護を活用することが大事だと野田氏はいいます。
「生活保護は国民の権利なので、恥ずかしいことではありません。生活を立て直すという意味では、大きな借金をしたり、家を失ったりといった状況になる前に、生活保護を検討すべきです。電気、ガスなどのライフラインが止まって追い込まれた状況になってから相談に来る方が多いですが、月収が10万円を下回っていると最低生活費に満たない場合がほとんどです。
そのタイミングで一度自治体や生活保護に詳しい支援団体に相談することをおすすめします」(野田氏) 参考:生活保護申請について:NPO法人 生活支援ネット
野田さんからのアドバイス
収入が最低生活費を下回っているか確認を!
「生活保護を受ける条件は、収入が『最低生活費』を下回っていること。最低生活費は、地域や家族構成によって違っていますが、自治体や福祉事務所、ウェブなどで確認することができます」(野田氏)