先週の「ジャンル横断・騰落率」を受けた今週の見通し
7月29日(水)2日目のFOMC(米連邦公開市場委員会)終了後のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の定例記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大によりダメージを受けている米国経済を立て直すべく、現在行っている大規模な金融緩和を継続する旨のアナウンスがありました。
ダメージへの手当を手厚くしなければならない程、足元の新型コロナウイルスの感染状況と今後のそれについての見通しが“悪い”、 “悪い”状況に対して対処はきちんと実施される、など、さまざまな解釈ができます。
端的に言えば、状況は非常に悪い、しかし、それへの対処はする、という内容だったわけです。この内容を受けた各種市場の反応は、“無国籍通貨”が上昇、景気に連動する傾向のある資産は下落、でした。
“状況の悪さ”は、無国籍通貨が、資産の逃避先や、対処(ドル安につながる政策)によって代替通貨として物色される動機になる一方、景気に連動する傾向がある資産については、“状況の悪さ”が市場のムードを悲観的にし、対処による回復期待を相殺し、売られる動機となったと、考えられます。
“状況が悪い”ことを強く補足したのが、7月31日(金)の、WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長の、世界中でまん延している新型コロナウイルスの影響は、数十年続く可能性がある、という発言です。
先進国・新興国を問わず(統計上、第2波が起きていない中国は例外か)、新型コロナウイルスが経済発展の大きな足かせになっている、現在のような状況が今後数十年続くとなると、米国が大規模な金融緩和を継続したとしても、その効果は限定的にならざるを得ない、との見方も、景気に連動する資産の価格の下落につながった可能性があります。
引き続き、社会全体が感染状況を注視し、改善に向けた具体的な策を講じることが望まれます。また同時に、今後も、感染状況の他、各種経済指標にも目を向け、感染拡大が与える経済へのダメージの大きさを確認していく必要があります。
今週は、景況感を示す経済指標は、7月27日(月)に、米国の6月耐久財受注、30日(木)に、ドイツ、米国の4-6月期GDP(国内総生産)、31日(金)に、日本の6月鉱工業生産、ドイツの6月小売売上高指数、ユーロ圏の4-6月期GDPなどが公表されます。感染状況の他、このような主要国の景況感を示す経済指標にも注目です。
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