#3どのような業種が狙い目か

 私は大きく5つのグループに分けて考えるようにしています。

A.    ほぼ無借金で、コロナがむしろサポート材料になる(ハイテク等)
B.    ほぼ無借金だが、コロナによる打撃は受ける(広告等)
C.    借金があり、コロナによる打撃も受ける(半導体、住宅建設、金融等)
D.    借金が多く、コロナにより大打撃(航空、ホテル、クルーズ等)
E.    コロナ前から厳しい(エネルギー、商業不動産等)

 現在はAからCが「投資適格」で、コロナ感染状況によってより積極的に(AよりB、BよりC)、と考える状況かと思います。米国政府の積極的なサポートにより、早ければ年内にもワクチンが利用可能になる見通しですが、そうなれば負債の状況を精査した上で、Dにも着手して良いかと思います。Eは長期投資には向いていないでしょう。

#4為替の動向

 株式相場と違い、為替は経済動向、とりわけ雇用情勢を反映していく可能性が高いと考えています。何故なら為替の大きな変動要因は金利であり、金利の大きな変動要因は雇用情勢であるからです。金融危機時に失われた雇用は800万人強ですが、現時点でかなり取り戻したとはいえ、ネットで約1,300万人が雇用を失った状態です。FRBが2022年末まで現状の金融政策を変更しないと見通している通り、超緩和政策はかなり長く続くでしょう。

 金融危機後、ドル/円は70円台を目指すことになりましたが、本格的な円高の進行は、2009年3月にアメリカが金融危機のピークを付けた後からでした。その点では当面、円高に対する警戒は強めておいた方が良いかと思います。幸い日米金利差はほとんど無くなっているため、為替のヘッジコストは気にしなくてよくなりました。米国株投資による為替リスクが気になる方は、状況に応じて各自で為替ヘッジされることをおすすめします。

#5大統領選挙の株価への影響

 ざっくりとした予想になりますが、現在優勢とされているバイデン候補が法人税減税の解消を提唱していることから、バイデン勝利の場合S&P500指数の2021年一株利益は150ドル、トランプ勝利の場合は170ドルと予想しています。

 現時点ではバイデン勝利の確率が約60%なので、市場は2021年一株利益158ドル((170-150)×0.4+150=158)を織り込んでいる事になります。ここから、バイデン勝利の場合、S&P500指数は5%下落(1-150÷158)、トランプ勝利の場合、7.5%上昇(170÷158-1)という影響が推測できます。

 ただ逆に言えば、株式相場への影響はたかが数%程度だという事になります。2016年の大統領選挙結果があまりにサプライズだったので警戒する向きが多いのは理解できますが、このように考えると大統領選挙の影響を過大視する必要は無いように思います。

(2020年7月24日記)