しばらくレンジ相場が続く?「ワクチン開発」と「政治」がポイントに

 次に、これまでの日経平均の動きを株価材料と共に整理してみます。

■(図2)日経平均(日足)の動きと株価材料(2020年7月16日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 日経平均は7月に入っても6月の中旬からのもみ合いを受け継ぐ状況が続いています。新型コロナウイルスをめぐっては、2番目の局面で不安を先取りして大きく下落し、3番目の局面で期待を先取りして大きく戻してきたこともあり、株式市場はかなりの好悪の材料を織り込んできたと思われます。

 そのため、足元では「じゃあ、実際のところはどうなのか?」を、経済指標や企業決算、ウイルスの感染動向を見極めながら、株価水準の居場所を探っている状況と言えます。

 したがって、「しばらくは一定のレンジ相場が続きそう」というのが年末にかけてのメインシナリオとなり、状況が大きく変わる事態となった時に、レンジを超えていくというのがサブシナリオとして想定されます。

 例えば、有効な抗コロナウイルスのワクチン開発と供給が想定よりも早期に実現するとか、これまで以上の感染再拡大が進行してしまうなどが挙げられますが、この他にも、米中関係の動向や、秋からは国内の臨時国会召集の有無をはじめ、香港の議会選挙、米大統領選挙といった「政治の季節」も相場に影響を与えることが見込まれます。その中でも特に香港情勢には注意が必要かもしれません。