IPO後に訪れる見直し買いのポイントはココ!

 冒頭でも述べた通り、IPO直後は一種のお祭り状態のため、企業の価値よりも高い株価がつきます。ただし、マーケット環境にもよりますが、市場の注目は次のIPOへと向かうため、お祭り騒ぎはあまり長く続くことはなく、しばらく株価と取引が低迷しがちです。

 とはいえ、IPO銘柄の中には伸び盛りの企業もあります。まだ会社の規模が小さいうちはその成長率は高く、規模が大きくなるにつれて成長速度が次第に緩やかになっていきますが、株価と取引が低迷している期間中も着実に成長していくのであれば、やがて企業の価値が株価を上回っていきます。そして、その状態がしばらく続くと株価が割安の状況となるため、買いが入って株価が上昇していきます。ここが見直し買いのポイントですが、図1で塗りつぶされている箇所がそれに該当します。

 実際のところ、図1のようにきれいに株価が動くことはあまりないのですが、IPO後に株価が低迷した後に戻すというパターンは珍しくありません。前回紹介した4つの分類のうち、「高成長型」であればその可能性は高いと思われます。

 それでは、下の図2で具体例を見ていきます。スマレジ(マザーズ:4431)の週足チャートです。

図2:スマレジの週足チャート

注:2020年7月10日終了時点
出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 スマレジは昨年(2019年)2月28日に上場しましたが、公募価格1,370円に対して初値が3,225円と2.35倍の株価がつきました。2営業日後の3月4日には4,435円まで上昇するも、その後は11月後半の2,320円まで8カ月以上も下落基調が続きました。

 ただし、その後は今年(2020年)2月下旬の4,230円まで順調に株価を戻していきます。スマレジの売上高は2019年4月期から2020年4月期にかけて62.7%増となっており、業績は大きく伸びています。さすがに上場直後の高値には届かなかったものの、直後のコロナ・ショックの急落を迎えても、株価の復元力の強さを見せています。